2025年6月6日に公開された映画『国宝』は、細部までこだわったリアリティと圧倒的な映像美、心が震える感動のストーリー展開で、多くの観客から高い評価を集めています。
歌舞伎の世界の裏側を非常にリアルに描写していることから、「本当にあった実話なの?」と疑問に思う方も多く、SNSを中心に話題沸騰中の本作。
この記事では、『国宝』が実話に基づいているのかという点をはじめ、映画のあらすじやラスト結末のネタバレ、キャスト・相関図、モデルになった人物やロケ地についても詳しく解説します。
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『国宝』を安く見る方法
作品名 | 国宝 |
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公開年 | 2025年6月6日 |
上映時間 | 174分 |
監督 | 李相日 |
脚本 | 奥寺佐渡子 |
音楽 | 原摩利彦 |
キャスト | 吉沢亮 横浜流星 高畑充希 寺島しのぶ 渡辺謙 |
配給 | 東宝 |
【国宝】映画は実話?原作は吉田修一の小説

映画「国宝」は実話ベースではない。原作は吉田修一の小説。
映画『国宝』は実話を基にした物語ではありません。
本作は、吉田修一による同名小説が原作となっており、監督の李相日にとっては『悪人』『怒り』に続き、三度目の吉田作品の映画化となります。
原作者の吉田修一は、上方歌舞伎の大御所・四代目中村鴈治郎のもとで黒衣として3年間歌舞伎の世界に身を置き、その経験をもとに小説を書き上げました。
また、中村鴈治郎自身が映画の歌舞伎指導を担当し、さらに歌舞伎役者・吾妻千五郎役として出演も果たしています。
このような徹底した取材と実体験に基づく演出によって、映画『国宝』はフィクションでありながら、まるで実話であるかのような圧倒的なリアリティと臨場感を醸し出しています。
映画は、原作小説を読んでいなくても十分に心を打つ仕上がりですが、特に原作では歌舞伎の演目や伝統についても丁寧な解説がなされているため、事前に小説を読んでおけば、より深く物語を味わうことができるでしょう。
また、映画鑑賞後に原作小説を手に取ってみるのもおすすめです。
原作には、映画で描ききれなかった主人公・喜久雄以外の登場人物の細やかな心理描写や、背景の詳細が描かれています。
彼らが何を想い、なぜあの決断をしたのかを立体的に捉えることができ、原作を読んだ後にはもう一度映画を見直したくなることでしょう。
【国宝】映画のあらすじを起承転結でわかりやすく解説(ネタバレあり)
映画『国宝』は、実話ではなく吉田修一による小説を原作としたフィクション作品です。
原作では多くの登場人物が描かれているのに対し、映画では主人公・喜久雄により焦点を当てて物語が展開されます。
ここでは、映画『国宝』のあらすじを起承転結の流れで、ネタバレありでわかりやすくご紹介します。
起:任侠の世界から歌舞伎へ
長崎の任侠の一門に生まれた主人公・立花喜久雄。
15歳の時、父親を抗争で亡くした喜久雄は、その類まれなる芸の才能を見込まれ、上方歌舞伎の名門・花井家の当主、花井半二郎に引き取られることになります。
こうして、喜久雄は歌舞伎の世界へと足を踏み入れることに。
花井半二郎には、既に将来を約束された、喜久雄と同い年の実の息子・俊介がいました。
異なる血筋や性格、環境で育った喜久雄と俊介ですが、やがて心を通わせ、互いに切磋琢磨しながら稽古に励むようになります。
そんなある日、二人は人間国宝である当代随一の女形・小野川万菊の舞台を目の当たりにし、その化け物のような美しさと圧倒的な存在感に、大きな衝撃を受けるのでした。
承:ライバル・俊介との切磋琢磨の日々と、突然の別れ
青春を芸に捧げる喜久雄と俊介。
歌舞伎の興行を手がける三友の社長・梅木は、若き二人の才能を見込んで、さまざまな大舞台を用意します。
次第に二人は、歌舞伎役者として脚光を浴びるようになっていきます。
そんなある日、花井半二郎が交通事故に遭い、急遽「曽根崎心中」で半二郎が演じる予定だった「お初」の代役を立てることに。
誰もが血筋から実子である俊介が選ばれると思っていたところ、半二郎が代役に選んだのは喜久雄でした。
本番までわずかな日数しかない中、喜久雄はひたすら稽古に打ち込みます。
俊介はその様子を複雑な思いで見守っていましたが、迎えた本番当日、喜久雄の圧倒的な演技を目の当たりにし、心を深く打たれます。
最後まで見届けることができず、舞台の途中で出てきてしまった俊介は、喜久雄の幼なじみである春江とともに、誰にも告げずに姿を消してしまうのでした。
転:「血筋」の壁に苦悩し堕ちていく喜久雄
俊介が姿を消してから8年が経過し、花井半二郎は自らの後継者として喜久雄を三代目・花井半二郎に指名、自身は花井白虎を襲名する決意を固めます。
しかし、襲名披露当日、半二郎は長年患っていた糖尿病が悪化し、舞台上で突然吐血。
そのまま救急車で運ばれるものの、帰らぬ人となってしまいました。
後ろ盾を無くし、次第に台詞すらない端役に追いやられてしまう喜久雄。
そんな折、行方をくらましていた俊介が10年ぶりに春江と息子を連れて戻ってきます。
俊介の復帰により、再び世間は正当な血筋である彼に注目し、喜久雄は本来の地位を奪ったとして世間から非難され、悪役として扱われるようになってしまいます。
喜久雄は血筋欲しさに、上方歌舞伎界の当主・吾妻千五郎の娘・彰子に近づきますが、千五郎の猛反対を受け、歌舞伎界を追いやられることに。
喜久雄と彰子は、ホテルの宴会場などで小さな舞台に立つ日々を余儀なくされるのでした。
結:芸の力で歌舞伎界の頂点「国宝」へ
すべてを失い、ついに彰子にも見放された喜久雄のもとへ、三友の社員・竹野がやってきます。
竹野は「万菊さんがお前に会いたがっている」と伝え、喜久雄を万菊が滞在する安旅館へ案内します。
歌舞伎一筋に生きてきた万菊との再会をきっかけに、再び舞台への情熱を取り戻す喜久雄。
こうして彼は歌舞伎の世界へと舞い戻り、俊介とともにふたたび華やかな舞台に立つようになるのでした。
しかしその俊介も、半二郎と同じ糖尿病を患い、左足の壊死により切断を余儀なくされます。
片足でもどうしても舞台に立ちたいという俊介は、かつて喜久雄が半二郎の代役を務めた「曽根崎心中」でお初の役を演じたいと打ち明けます。
喜久雄はこれを受け、自分が徳兵衛を演じることを決意。
舞台のクライマックス、お初の足を徳兵衛が自分の首にあてて心中の覚悟を見せる場面で、喜久雄は俊介のもう片方の足も壊死が進んでいることに気づきます。
俊介は痛みを抱えながらも舞台を最後まで演じきり、その後、命を落としてしまいます。
俊介の死から十数年。
喜久雄はついに「人間国宝」の称号を得て、インタビューの席で長く会えていなかった娘・綾乃と再会し和解します。
そして彼は、かつて俊介と見た万菊の演じた「鷺娘」の舞台に立ちます。
すべてを犠牲にし、日本一の歌舞伎役者となった喜久雄。
人間国宝となり、ついに自身が目指した究極の境地へ辿り着き、映画は幕を下ろします。
【国宝】映画の結末・ラストとネタバレ部分の解説!〜
ここでは、映画『国宝』の結末・ラストシーンについて、ネタバレありで詳しく解説していきます。
「国宝」映画のラスト・結末の解説
俊介の死から十数年が経ち、もがき苦しみながら芸の道に生き抜いた喜久雄は、ついに「人間国宝」の称号を手にします。
インタビューの取材を受けていた喜久雄の前に、ずっと会えずにいた一人娘・綾乃がカメラマンとして現れ、喜久雄は思いがけない再会を果たすことに。
綾乃は喜久雄にこう伝えます。
「あなたのことを父親だと思ったことはありません。でも花井半二郎を見たらお正月を迎えたような、いいこと起こりそうな、何もかも忘れてこっちおいでって誘われるような、見たことないところ連れて行ってもらうようなそんな気持ちになるねん。気づいたらめっちゃ拍手してたわ。」
それは、悪魔と取引をした父が、自分(娘)には全く関心を示さず、ひたすら芸にすべてを捧げ続けてきた長い年月への思いを、綾乃が正直に語った言葉でした。
そして喜久雄はかつて小野川万菊が踊っていた特別な舞台「鷺娘」の舞台へ。
鬼気迫る演技で圧倒的な美しさを魅せる喜久雄の「鷺娘」。
幕切れ、暗闇のなかで花びらとも雪とも見まごう白いきらめきが舞い降りる中、喜久雄は独り言のように「きれいやなぁ…」と静かに呟きます。
こうして、芸に人生のすべてをかけた喜久雄の物語は、美しくも静かに幕を閉じるのでした。
喜久雄が言った「景色が見たい」「きれいやなぁ…」の意味は
喜久雄がラストのインタビューで語った「景色が見たい」とは、芸を極めたものだけがたどり着ける極限に美しい瞬間のことを意味しています。
この「景色」とは喜久雄と俊介がまだ学生時代に、初めて小野川万菊の舞台を見て心に焼きついた化け物じみた美しさへの憧れから生まれたものです。
同時に、それは雪の降る夜、目の前で父が壮絶な最期を迎えた時の忘れがたい光景とも重なっています。
喜久雄は、すべてを犠牲にして芸の道を極めることで、父を失った悲しみや血筋という大きな壁に苦しみながらも、その苦しみへの復讐を遂げ、美の頂点にたどり着こうとしました。
ラストの「きれいやなぁ…」という言葉には、そうしてすべてをかけて手にした究極の美の瞬間に対する、喜久雄の深い感慨が込められているのではないでしょうか。
人間国宝・万菊と喜久雄の共通点
人間国宝・小野川万菊と喜久雄の共通点は、芸に人生を捧げ、極限の美を追い求めた者同士であるということです。
万菊は引退後、余生を場末の安旅館で過ごしておりました。
三友の竹野に連れられて喜久雄がそこを訪れた時、万菊は「ここには美しいものが何もないでしょう?でも妙に落ち着く。もういいんだよって誰かに言ってもらったみたいで」と語ります。
この言葉には、これまで美を追い続けた果てに、孤独と苦悩を抱えながら芸の極みを目指してきた万菊の生き様がにじみ出ています。
喜久雄もまた、万菊と同じように美を追い求める道を歩み続け、圧倒的な芸と存在感で人間国宝にまで上り詰めました。
人間国宝とは、すべてをかけて芸の道を突き詰め、孤高の道を歩み、究極の美しさを追い続けた者だけに与えられる称号なのかもしれません。
「国宝」映画が描きたかったことは?
映画『国宝』が描こうとしたのは、芸の道に人生のすべてを捧げ、血筋と才能の間でもがき苦しむ主人公・喜久雄の50年に及ぶ激動の人生です。
喜久雄は生まれ持った美貌と芸の才能には恵まれながらも、歌舞伎の名門の血筋ではないという立場に苦しみ続けます。
一方、伝統ある歌舞伎一家に生まれた俊介は、目の前で輝きを放つ喜久雄という圧倒的な才能に自信を失い、芸の道から逃げてしまいます。
伝統芸能という厳しい世界の中で、芸に呪われた喜久雄と、血に呪われた俊介。
彼らはライバルであり、同志でもありながら、それぞれの葛藤と孤独を背負い、芸の頂点を目指して懸命にもがき続けます。
信頼や裏切り、家族との断絶と和解、そうしたさまざまな犠牲を払いながらも、人生のすべてを懸けて“見たい景色”を追い求めた者だけが到達できる、孤高の美。
映画『国宝』は、歌舞伎という伝統の舞台を通じて、そうした人間の壮絶な生きざまを圧倒的な熱量で描いた作品です。
【国宝】映画のキャスト相関図

映画『国宝』は、歌舞伎の世界を舞台に、主人公・喜久雄を中心とした複雑な人間関係が描かれています。
喜久雄は任侠の家に生まれたものの、父を失ったことをきっかけに、歌舞伎界の名門・花井家の当主である花井半二郎のもとに引き取られます。
花井半二郎には、喜久雄と同い年の実子・俊介がいました。
若き喜久雄は俊介と花街へ遊びに行ったとき、舞妓・藤駒と出会い、その後彼女との間に一人娘・綾乃をもうけます。
また、喜久雄の幼馴染である福田春江は、彼を追って上阪し、長らく喜久雄を支え続けていましたが、俊介が喜久雄の圧倒的な才能に苦悩する中、俊介と共に姿を消してしまいます。
やがて花井半二郎の死後、喜久雄は後ろ盾を失い、歌舞伎の“血筋”を求めて上方歌舞伎の当主・吾妻千五郎の娘・彰子に近づき結婚を望みますが、千五郎の強い反対に遭い、歌舞伎界を追われることに。
主人公・喜久雄を取り巻く人々との絆や葛藤、芸の世界に身を投じた者たちの複雑な関係は、物語にリアリティと深みをもたらしています。
【作品名】映画で注目すべきキャスト3選!喜久雄と俊介のモデルは?
映画『国宝』で注目すべきキャスト3名を詳しくご紹介します。
また、主人公の喜久雄と俊介、それぞれのモデルとなった人物についても深く掘り下げて解説します。
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①立花喜久雄(花井東一郎)/吉沢亮
吉沢亮演じる立花喜久雄は、長崎の任侠の家に生まれ、15歳の時に組の抗争によって父親を亡くします。
しかしその美貌と役者の資質を買われ、上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎に引き取られ、歌舞伎の世界へ飛び込むことに。
世襲の歌舞伎界の中で才能を武器に、稀代の女形として脚光を浴びていく喜久雄。
李相日監督は、『国宝』を映画化するにあたり「立花喜久雄役をやるのは吉沢亮じゃなければこの映画はない」というくらいの思いで彼にこの役をオファーしたとのこと。
吉沢亮のどこか掴みどころのない、底知れぬ魅力も、喜久雄という人物像と重なります。
なお、喜久雄のモデルについては明確には公表されていませんが、現代歌舞伎を代表する女形・坂東玉三郎がモデルなのでは、との声も多く聞かれます。
坂東玉三郎も歌舞伎一家の出身ではなく、芸養子として歌舞伎界に入門。
「鷺娘」などの代表的な舞台は、喜久雄の設定や人生とも重なる部分が多いと言われています。
②大垣俊介(花井半弥)/横浜流星
上方歌舞伎の名門の御曹司として生まれ、看板役者・花井半二郎を父に持つ俊介。
生まれながらに将来を約束され、歌舞伎役者になることが運命づけられてきたため、前半では芸に対する姿勢にやや甘さも感じる人物として描かれています。
喜久雄の親友であり、ライバルとして共に切磋琢磨していきますが、喜久雄が才能を開花させていくにつれ、徐々に葛藤を抱き始めます。
演じる横浜流星は、インタビューで「俊介は自分とは正反対の性格で、一番苦手なタイプ」と語っており、役作りの難しさを強調。
俊介には特定の実在モデルはいませんが、喜久雄と「東半コンビ」として人気を博す設定については、坂東玉三郎と十代目市川海老蔵による「海老玉コンビ」や、坂東玉三郎と片岡孝夫(現在の片岡仁左衛門)による「孝玉コンビ」といった、昭和の歌舞伎界でも実際に話題となった人気コンビをモチーフにしていると考えられます。
このように俊介は、実在の歌舞伎界の歴史や人物をモデルにしながらも、フィクションとしてさまざまな要素を融合させて作り上げられたキャラクターです。
③小野川万菊/田中泯
小野川万菊は、当代一の女形であり、人間国宝の歌舞伎役者。
学生時代の喜久雄と俊介に出会い、二人の役者人生に深く関わっていく重要な存在として描かれています。
小野川万菊のモデルは、20世紀を代表する女形である六代目中村歌右衛門と考えられています。
六代目中村歌右衛門は、その卓越した美しさと芸に人生を捧げた孤高の存在として語り継がれており、晩年は「美の呪縛」に苦しんだ逸話でも知られている人物。
また、三島由紀夫の小説『女方』に登場する佐野川万菊のモデルも六代目中村歌右衛門であり、小野川万菊の名前や「美しい化け物」と形容される描写が一致している点から、同じ人物をモチーフにしていると考えられます。
さらに、六代目中村歌右衛門の好物がシュークリームだったというエピソードは、映画『国宝』で小野川万菊の楽屋を訪れた喜久雄と俊介が、シュークリームを差し入れる場面にも反映されています。
小野川万菊を演じた田中泯は、日本舞踊の指導を谷口裕和先生から受けており、撮影終了後も稽古を続けているそうです。
80歳を迎えた現在も、ダンサーとして新しい踊りに取り組もうとする謙虚な姿勢には、敬意を抱かずにはいられません。
【国宝】映画の代表的なロケ地はどこ?
映画『国宝』では、歴史的価値の高い魅力的なロケ地がいくつも使われています。
その中でも特に印象的な代表的ロケ地を3か所ご紹介します。
ロケ地①:東大阪市 日新高校前
映画『国宝』の序盤で、主人公・喜久雄と俊介が学生時代、自転車に乗って学校の正門前を飛び出し、満開の桜並木を駆け抜けるシーンがとても印象的に描かれています。
このシーンは「東大阪市立日新高校」前で撮影されました。
創立102年を誇るこの高校は、地域では桜の名所としても知られています。
撮影当時は、曇天でしたが李監督は「この薄明るさが記憶の中の青春にちょうどいい」と撮影が敢行されたそうです。
ロケ地②:京都市 南座
映画のクライマックスで、喜久雄と俊介が「曽根崎心中」を上演する場面は、京都市にある南座で撮影されました。
南座は、1929年に桃山様式で建てられた日本最古の歴史を持つ歌舞伎劇場で、歌舞伎役者たちにとって憧れの舞台であり、その格式を今に伝えています。
国の登録有形文化財にも指定されており、豪華な意匠や唐破風の屋根が特徴です。
撮影は2024年5月末、非公開で実施され、現場の緊張感がそのまま画面に映し出されていると関係者は語っています。
撮影時は舞台袖に架空の演目ポスターが飾られるなど、劇場スタッフの協力のもとリアリティが追求されていました。
なお、これらのポスターは撮影終了後にすべて取り外されています。
ロケ地③:兵庫県 出石永楽館
物語の序盤で、喜久雄と俊介が地方巡業で訪れる舞台に選ばれたのが、兵庫県の出石永楽館です。
出石永楽館は、近畿地方に現存する最古の芝居小屋で、映画のロケに使われるのは初めてとのこと。
映画のクランクインの場所が永楽館であったことも明かされており、地元住民らもエキストラとして出演しています。
【国宝】映画の見どころ・重要ポイントを解説
映画『国宝』は、冒頭からラストシーンまで息を呑む展開が繰り広げられます。
その中でも特に注目すべきポイントや印象的なシーン、ぜひ見逃さずに鑑賞してほしい場面についてご紹介します。
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①「俺な、今、一番欲しいの、俊ぼんの血ぃやわ」
映画『国宝』で特に印象的なシーンの一つが、喜久雄が半二郎の代役として「曽根崎心中」のお初を務めることになった舞台初日、楽屋での場面です。
喜久雄は極度の緊張から手が震え、なかなか自分で化粧ができません。
そんな喜久雄のもとに俊介が現れ、彼に代わって化粧を施します。
その最中、喜久雄は震える声で俊介に「怒らないで聞いてくれ」と語りかけます。
「俺な、今、一番欲しいの、俊ぼんの血ぃやわ。俊ぼんの血ぃコップに入れてガブガブ飲みたいわ」
俊介はこの言葉を聞き、「芸があるやないか」と喜久雄を励まします。
この場面は、「才能か血筋か」という本作の核となるテーマを象徴しています。
血筋がなく不安を抱える喜久雄と、名家に生まれながらも自身の才能に疑問を抱く俊介。
二人の複雑な心の葛藤が、吉沢亮と横浜流星による繊細な演技を通して静かに印象的に描かれています。
観客の心に強く残る、映画を象徴する重要なシーンです。
②喜久雄がビルの屋上で踊るシーン
歌舞伎役者・吾妻千五郎の娘・彰子との結婚を反対され、歌舞伎界から追い出された喜久雄。
彼は彰子とともに、地方の安い興行を転々とする、いわゆる“ドサ回り”の生活を送ることに。
ある日、観客から暴行を受けた喜久雄は、化粧も落とさずドロドロの顔のままホテルの屋上で狂ったように踊り始めます。
それを見た彰子に「もうやめよう」と言われた喜久雄は、彰子の顔をじっと見つめますが、彰子からは「どこ見てんの?」と問いかけられ、そのまま彼女は彼のもとを去っていきます。
取り残された喜久雄は、「どこ見てたんやろうな?」と自分に語りかけるように呟き、泣き笑いの表情を浮かべるのでした。
この場面で特筆すべきなのは、彰子役の森七菜さんのセリフが事前に喜久雄役の吉沢亮さんには伝えられておらず、その後の吉沢さんのセリフやリアクションがすべてアドリブで生まれた点です。
原作にはない、映画オリジナルのシーンですが、一緒にいるはずなのに心が通い合わない彰子の寂しさと、芸に生きるしかない喜久雄の絶望が美しく鮮烈に描かれています。
本作の中でも屈指の名シーンです。
③俊介と喜久雄の「曽根崎心中」
糖尿病を患い片足を切断した俊介は、物語の前半で自分が本来演じるはずだった「曽根崎心中」のお初をどうしても演じたいと、喜久雄に強く訴えます。
これを受けて、喜久雄は徳兵衛役として俊介と共演することを快諾。
舞台本番、お初の足を徳兵衛が自分の首元に持っていき、心中の決意を示す重要な場面で、喜久雄は俊介のもう片方の足も壊死しかけていることを知ってしまいます。
両足を失えば、俊介はもう二度と舞台に立つことはできなくなり、命さえ危ぶまれる深刻な状態です。
しかし、喜久雄は俊介に「最後までやるぞ」と声をかけ、俊介も「当たり前だ」と、そのまま舞台を続けます。
また、この姿を見て、三友の竹野が「こんなふうには生きられないな」と呟くシーンも二人の生き様を象徴するようで印象的です。
俊介が口にするお初のセリフ「死ぬる覚悟」は彼自身の命を懸けた状況と重なり合います。
痛みで歩くのも困難な俊介が芝居を最後までやり遂げようとする姿、それを懸命に支える喜久雄の姿が、本作の軸でもある「運命に翻弄されながらも支え合う二人の人生」を象徴的に表現しています。
ラストでは、汗と涙で化粧もすっかり落ちてしまいながら、芸にしがみつく俊介の姿にただただ圧倒されるばかり。
横浜流星が見せた渾身の演技と、その熱量に胸を締め付けられる名シーンです。
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