リモートワークを快適にするためのインターネット環境の整え方を解説

リモートワークを快適にするためのインターネット環境の整え方を解説

最近、オフィスではなく自宅やワーキングスペースで働くリモートワーク、テレワークが普及し始めています。通勤せずに自分好みの環境で働けるのが嬉しいですが、インターネット環境がないと快適な仕事はできません。

リモートワークにおすすめの回線と、インターネット環境の整え方を徹底的に解説しているので、参考にしてください。

リモートワークでおすすめのインターネット環境は?

リモートワークのためにインターネット環境を見直している方の多くは、「おすすめのインターネット回線」を知りたいと考えていると思います。ここでは、以下の3つの回線、接続方法を解説します。

  • 光回線
  • モバイルWi-Fi
  • テザリング

それぞれのメリットとデメリットを知って、自分のライフスタイルに合ったものを選びましょう。

光回線

NURO光
出典:NURO光

自宅で働くことが基本となるリモートワークで、多くの方が契約するのが光回線です。光ファイバーケーブルを使って通信を行う固定回線で、安定したインターネット接続ができる点が魅力だといえます。

それでは、光回線のメリットとデメリットを確認していきましょう。

メリット

光回線の最大のメリットは、回線品質の高さです。自宅で責任が伴う仕事をする以上、労働環境には万全を期したいと考える方は多いと思いますが、光回線なら安心して利用できます。

インターネット回線の品質を示す上で参考になるのが、「下り最大通信速度」です。この数値が高ければ高いほど、安定した通信が行えますが、一般的な光回線事業者は、「1Gbps(1,000Mbps)」の速度で光回線を提供しています。

では、この1Gbpsという下り最大通信速度は、どの程度の品質でしょうか?詳細は、以下の表を確認して覧ください。

端末での作業必要ダウンロード速度
LINE受信1Mbps
Webページ閲覧1Mbps
ビデオ通話3Mbps
YouTube視聴(720p)3Mbps
YouTube(1,080p)5Mbps
4K動画の再生25Mbps

引用:快適なインターネットに必要な上下の速度目安を目的別に整理! – NURO

こちらの表は、各作業を快適に行うにあたり必要な下り最大通信速度を示したものですが、4K動画の視聴でさえ「25Mbps」の速度があれば快適に行えます。

つまり、光回線の一般的な速度「1Gbps(1,000Mbps)」があれば、メールの送受信からビデオ会議まで、ほとんどすべての作業をストレスなく行えると考えてください。

もちろん、1Gbpsは理論値であり、自宅で利用する場合の実測値はこれを大幅に下回りますが、それでも仕事に悪影響を与えるほど回線品質が悪くなることはありません。

したがって、自宅で一切のストレスなく仕事を完璧にこなしたいなら、光回線を契約すべきだといえます。

デメリット

光回線のデメリットは、以下の点が挙げられます。

  • すぐに利用できない
  • 解約しにくい
  • 自宅でしか使えない

それぞれの点を、順番に解説していきます。

すぐに利用できない

リモートワークで働くことが決まった方の中には、以前から予定していた形ではなく、最近の情勢を考慮して突然自宅勤務を命じられた方もいるでしょう。

その場合、利用開始まで数カ月を要する光回線だと、リモートワークに間に合わない可能性があります。

では、どうして光回線は利用を始めるまで時間がかかるのでしょうか?詳細を以下で確認しましょう。

光回線は、サービス業者が電柱や地下配線などに張り巡らされた光ファイバーケーブルを家庭やオフィスまで引き込む工事(開通工事)を行うことで利用が可能となります。

引用:光回線とは? – SoftBank正規代理店 LifeBank

このように、光回線は電柱や地下から光ファイバーケーブルを住居まで引き込む「開通工事」が必要であるため、時間がかかってしまうのです。

したがって、数日や1週間程度でインターネット回線を用意しなければいけないなら、後述する他のインターネット回線の利用がおすすめです。

解約しにくい

光回線の「解約しにくい」という点も、デメリットの1つとして挙げられます。一般的な光回線事業者は、契約をスマートフォンのような2〜3年契約としており、契約期間内の解約には1〜2万円程度の解約金が発生します。

また、光回線は事業者の他に、回線をインターネットに接続する「プロバイダ」との契約が必要なケースもあるため、事業者とプロバイダへの「二重の解約金」が発生する可能性もあるのです。

加えて、光回線の開通工事を無料にする工事費無料特典を利用し、契約期間内に解約をしてしまうと、工事費の残債を支払う必要があります。

以上の点を考えると、光回線の解約は気軽にできるものではないため、「リモートワークのために今だけ使いたい」といったニーズには不向きだといえるでしょう。

また、近々引っ越しを考えている場合も、早期解約をすることとなってしまうため、おすすめはできません。「今だけ使う」なら、後述するテザリングがおすすめです。

自宅でしか使えない

リモートワークで働く方の中には、自宅以外での仕事がメインになる方もいるかもしれません。この場合、日本はまだまだ公衆Wi-Fiが整っていないため、光回線の「自宅でしか使えない」点はデメリットだといえます。

また、Wi-Fiが利用できる施設や店舗でも、

  • 回線品質が十分でない
  • セキュリティが十分でない
  • 利用制限がある

このような懸念すべき点があるため、「責任が伴う仕事を快適に行えるインターネット環境」という点で考えると、その選択肢は非常に狭まってしまうのです。

したがって、自宅以外でも頻繁に仕事をする予定がある方なら、光回線ではなくモバイルWi-Fiの方が良いかもしれません。

最近ではリモートワークを快適に行えるように環境を整えた「ワーキングスペース」が増えてきています。

回線品質、セキュリティが万全なインターネット回線を提供していますから、外ではそういった場所を利用して、自宅では光回線を利用するのも選択肢の1つです。

光回線ならNURO光がおすすめ

NURO光
出典:NURO光

光回線のメリットとデメリットを解説しましたが、リモートワークに適したおすすめの光回線は「NURO光」です。

リモートワークは自宅で責任の伴う仕事をするため、できる限り良いインターネット環境を構築することが大切です。先述の通り、一般的な光回線事業者の下り最大通信速度は1Gbpsですが、NURO光は2倍の2Gbpsですから、他の事業者よりもワンランク上の回線品質を提供しています。

また、最大1.3Gbpsの回線速度に対応した最新規格のWi-Fiルーターを無料でレンタルしているため、高性能なWi-Fiルーターを自分で用意する必要がないメリットも存在しています。

さらに、NURO光には下り最大通信速度が2Gbpsの通常プランに加え、6Gbpsの「NURO光6Gs」と、10Gbpsの「NURO光10Gs」の2つのプランが存在するため、より高い品質のインターネット回線をお求めの方にもおすすめです。

以上のように、NURO光の回線品質はあらゆる光回線事業者の中でもトップクラスに良いにも関わらず、コスパが良い点も見逃せないメリットになります。月額料金と初期費用の具体的な金額をまとめた、以下の表をご覧ください。

月額基本料金5,217円
基本工事費44,000円
契約事務手数料3,300円

月額料金は税込で5,217円と、下り最大通信速度1Gbpsの一般的な光回線事業者と同じ水準となっています。NURO光は2倍の通信速度ですから、コスパの良さが理解できるでしょう。

また、初期費用の基本工事費と契約事務手数料は、いずれも申し込み特典で「実質無料」とすることが可能です。総額にして5万円程度の初期費用を抑えられるため、リモートワークによる急な出費を抑えたい方にもおすすめできます。

加えて、「1年間月額料金980円」「最大43,000円キャッシュバック」などの魅力的な契約特典を用意しているため、トータルで見たコスパの良さは群を抜いています。

このように、NURO光は回線品質、コスパともにトップクラスの光回線事業者ですから、リモートワークで質の高い光回線事業者を探している方におすすめです。

NURO光の詳細はこちらから

モバイルWi-Fi

UQ WiMAX

出典:UQ WiMAX

光回線に続いて解説するのがモバイルWi-Fiです。モバイルWi-Fiは、大手キャリア、もしくはWiMAXと呼ばれる無線回線を利用したインターネット回線です。

Speed Wi-Fi NEXT W06

出典:Speed Wi-Fi NEXT W06 – UQ WiMAX

このようなモバイルルーターと呼ばれる持ち運び可能なWi-Fiルーターを利用するため、携帯性の高さが最大の魅力ですが、リモートワークを行う上でのメリットとデメリットを確認していきましょう。

メリット

モバイルWi-Fiのメリットは、以下の点が挙げられます。

  • 数日で利用できる
  • 日中に快適に利用できる
  • コスパが良い

携帯性の高さ以外にもこのようなメリットがあるため、それぞれの点を詳しく解説していきます。

数日で利用できる

モバイルWi-Fiは開通工事が不要であるため、「数日で利用できる」点は、突然リモートワークが決まった方には魅力を感じるかもしれません。

オンライン契約のモバイルWi-Fiを利用するまでの流れは、以下のようになります。

  1. 契約する
  2. 機器が届く
  3. 利用を始める

契約してから機器が届くまでに数日であるため、光回線の数週間〜数カ月とは比較にならないスピード感です。

また、オンラインではなく実店舗で契約をすれば「即日利用」も可能ですから、なるべく早くインターネット環境を整えたい方におすすめできます。

日中に快適に利用できる

モバイルWi-Fiの中でも「WiMAX」は、無線回線にも関わらず高品質なサービスを提供している、人気の高いインターネット回線です。リモートワークのために契約する人も増えてきています。

そして、WiMAXには月間データ通信量に制限がない「ギガ放題」プランが用意されており、「使いたいだけ使える」と思われがちです。

しかし、このギガ放題には、以下に示す注意点が存在しています。

ネットワーク混雑回避のため、前日までの直近3日間でWiMAX 2+およびLTE方式の通信量の合計が10GB以上となった場合、ネットワーク混雑時間帯(翌日18時頃から翌々日2時頃(2019年9月時点))にかけてWiMAX 2+およびLTE方式の通信速度を概ね1Mbpsに制限します

引用:ギガ放題 – UQ WiMAX

つまり、3日で10GB以上を使ってしまうと、その翌日の「18時〜26時(2時)」の8時間にわたり、速度制限を受けてしまうのです。

幸い、速度制限後の下り最大通信速度は「1Mbps」と最低限は確保できるものの、光回線のように「本当の意味での使い放題」ではない点がデメリットだといえます。

しかし、「リモートワークを快適に行う」目線で考えると、速度制限がかかる「18時〜26時」は多くの方の勤務時間外に該当します。したがって、日中に仕事をする方にとっては「仕事では使い放題」ですから、WiMAXとリモートワークの相性は極めて良いといえるでしょう。

コスパが良い

モバイルWi-Fi、特にWiMAXは18時までの日中の利用は無制限で行え、月額料金は光回線よりもおよそ1,000円程度安く利用可能です。

たとえば、WiMAXで人気のプロバイダ「カシモWiMAX」は、月額3,971円で3年間使い続けることができます。

参考:カシモWiMAX

光回線では5,000円を超える事業者も多いため、月あたりの固定費をできるだけ抑えてインターネット回線を利用したい方におすすめです。

デメリット

続いて、モバイルWi-Fiのデメリットを解説していきます。

  • 未対応の地域がある
  • 光回線より回線品質が低い
  • 解約しにくい
未対応の地域がある

モバイルWi-Fiの中でも人気な「WiMAX」は、独自に基地局を設置しサービスを提供しているため、未対応の地域が存在しています。人口が多い都市部やその近郊では安定した通信が可能ですが、地方の場合には注意が必要です。

これを考慮して、WiMAXでは2週間無料でお試しができる「Try WiMAX」を用意しているので、お住まいの地域で満足に使えるかどうかを確かめてみましょう。

WiMAXは契約前に対応エリアを確認出来る?2週間完全無料の公式お試しで使用感を確認 WiMAXは契約前に対応エリアを確認出来る?2週間完全無料の公式お試しで使用感を確認

一方で、WiMAX以外のモバイルWi-Fiは、大手キャリアのdocomo、au、SoftBankのLTE回線を借りて運用しているため、日本全国をほぼ100%カバーしています。

そのため、WiMAXが利用できない地域にお住まいの場合、他のモバイルWi-Fi事業者の利用を視野に入れましょう。

光回線より回線品質が低い

モバイルWi-Fiは無線回線であるため、回線品質について気になる方もいるかもしれません。結論からいえば、モバイルWi-Fiの回線品質は光回線よりも低いです。

たとえば、多くのモバイルWi-Fi事業者が利用するauのLTE回線は、下り最大通信速度が「150Mbps」と、一般的な光回線事業者の「1Gbps(1,000Mbps)」を圧倒的に下回ります。

参考:「LTE」ってどのくらい速いの? – au

一方で、独自に基地局を設置したWiMAXは、下り最大通信速度1.2Gbpsを実現しており、これだけ見れば光回線を上回る回線品質を提供しているように見えます。

しかし、これは以下に示す府県の一部地域限定であり、ほとんどの地域での実際の下り最大通信速度は440Mbpsです。

  • 東京都
  • 埼玉県
  • 愛知県
  • 大阪府

参考:Speed Wi-Fi NEXT W06 – UQ WiMAX

そのため、どの地域でも安定して1Gbps(1,000Mbps)を提供している光回線とは、大きな差があることがわかります。

では、モバイルWi-Fiの100Mbps〜500Mbps程度の下り最大通信速度では、リモートワークは快適に行えないのでしょうか?

一般的に、リモートワークで最も多くのデータ通信を行うのは「ビデオ通話」ですが、1対1のビデオ通話を快適に行うために必要な下りの速度は、先に示した表より「3Mbps」です。

したがって、モバイルWi-Fiの下り最大通信速度があれば、オンライン会議に参加することはできます。

しかし、やはり「無線回線」という都合上、固定回線の光回線よりも安定性は低いため、仕事に対してストレスなく向き合いたいなら光回線を選ぶべきです。

仕事は自分だけでなく、他者や会社に対して責任を負うものですから、さまざまなリスクを考慮した上でインターネット回線を選びましょう。

解約しにくい

モバイルWi-Fiの多くは2〜3年契約を基本としており、期間内の解約には数万円の解約金が発生します。

しかし、光回線のような「事業者とプロバイダ両方に支払う二重の解約金」の心配は不要ですし、工事費の残債に悩む必要もないため、光回線よりは解約がしやすいといえます。

また、WiMAXの多くのプロバイダは、契約期間が伸びれば伸びるほど、解約金を少額にする形をとっているため、必要なときだけ契約する使い方がしやすいです。

テザリング

最後に、テザリングについて解説していきます。テザリングの概要は、以下の引用文を確認してください。

テザリングとは、スマートフォンなどのデータ通信を利用して、パソコンやタブレット端末、ゲーム機器などをインターネットに接続することで、主にスマートフォンのオプションサービスとして提供されている。

参考:テザリングとは? iPhoneやAndroidの設定方法や注意点、モバイルルーターとの違いを解説 – TIME&SPACE by KDDI

スマートフォン1つあれば、どこでも他の端末でインターネット通信を行えるため、気軽に利用できる点が魅力です。

それでは、メリットとデメリットを確認していきましょう。

メリット

テザリングのメリットは、以下の点が挙げられます。

  • 汎用性が高い
  • 契約が不要
汎用性が高い

光回線は自宅でしか利用できず、モバイルWi-Fiはルーターを持ち運ぶことで外出先でも利用できます。

そして、テザリングはスマートフォンがあればどこでもインターネット回線を用意できるため、他の回線より高い汎用性が魅力です。

特にリモートワークを自宅以外で行うことが多いなら、テザリングを利用する機会は多いかもしれません。

契約が不要

テザリングは他のインターネット回線のように、新しく契約を結ぶ必要はありません。

キャリアや契約プランによって異なりますが、既存のスマートフォンの契約でテザリングが無料で利用できる方も多いため、すぐに利用開始できることもあります。

一方で、月額550円のテザリングオプションに加入しなければ使えないキャリアもあるため、テザリングが使えるかどうかを確認しておきましょう。

また、新たな契約が不要であるため、解約する必要もありません。テザリングの利用を停止する場合は、利用をやめるだけ、もしくはオプションを外すだけで問題ないため、リモートワークがいつ中断されるかわからない方にとっては心強いです。

デメリット

続いて、テザリングのデメリットを解説していきます。

  • 光回線より回線品質が低い
  • 大容量プランの契約が必須
  • バッテリーの消費が激しい
  • 電話中は使えない
回線品質が低い

テザリングはスマートフォンのインターネット回線を利用するため、光回線と比較して回線品質が低いです。

下り最大通信速度は、各キャリアのLTE回線を借りて運用するモバイルWi-Fiと同程度で、リモートワークに必要な作業は一通りこなせます。

しかし、安定性の低い無線回線であるため、万全を期すならやはり光回線を選ぶべきだといえます。

大容量プランの契約が必須

リモートワークで行うのは責任が伴う仕事ですから、「データ通信量がもったいないから」と作業を中断することはできません。したがって、大容量プランの契約が必須だといえます。

参考までに、リモートワークで最もデータ通信量を消費するビデオ通話の、通話時間あたりのデータ通信量を以下の表で確認してください。

通話時間データ通信量
1分5.1MB
10分51MB
30分153MB
1時間306MB

参考:LINE通話の通信量・ギガ数は? 通信料を節約して電話する方法を大公開! – LINE MOBILE

これは1対1でLINEのビデオ通話を使った場合ですが、30分程度の利用で150MBを消費します。参加人数と利用時間が増えるほどデータ量を消費しますから、余裕を持って利用できるプランの契約が必要です。

そして、各キャリアが提供する大容量プランを契約するなら、使い放題のWiMAXや光回線を契約した方が、コスパは圧倒的に高いといえます。

バッテリーの消費が激しい

テザリングは長時間にわたりスマートフォンが電波を飛ばし続けるため、バッテリー消費が極めて激しいです。

バッテリーがゼロになると、テザリングはもちろん、連絡すら取れなくなってしまうため、仕事に大きく影響を与えます。したがって、外出先でテザリングを使ったリモートワークを行う場合、モバイルバッテリーの携帯が必須です。

電話中は使えない

テザリングを使っているスマートフォンで電話をすると、テザリングは強制的にオフにされてしまいます。

仕事の電話を受けながらパソコンを操作するといった場面で利用できないため、テザリングを使うスマートフォンに頻繁に仕事の電話がかかってくる方は、テザリングの利用はおすすめできません。

リモートワークを快適にするインターネット環境の整え方

ここからは、リモートワークを快適にするインターネット環境の整え方を解説していきます。

回線品質

快適なインターネット環境を構築する上で、現在の回線品質を知ることは大切です。回線品質を評価する上で重要な2つの基準について解説していきます。

通信速度

回線品質の評価基準のうち、最も一般的なものが通信速度になります。インターネット回線事業者のWebサイトや広告で「下り最大〇〇Mbps」のように表記され、数値が高ければ高いほど高速な通信が可能になると考えてください。

ここでは、わかりやすく説明するために、「Fast.com」というインターネット回線の速度を測定するWebサイトを利用した結果を引用します。

スピード測定のダウンロード

出典:Fast.com

こちらが実際の画面ですが、赤枠で囲んである「63Mbps」という数字が下り(ダウンロード)の通信速度を示しています。端末がデータを受信する速度であるため、リモートワークでのビデオ通話における音声や映像の受信に影響を与えます。

スピード測定のアップロード

次に右下の赤枠の上り(アップロード)の通信速度に注目してください。こちらの数値もビデオ通話を行うリモートワークでは重要で、自分の音声や映像の送信に影響します。

では、この下りと上りの通信速度は、どの程度あれば快適に仕事を行えるのでしょうか?先述の通り、1対1のビデオ通話を快適に行うために必要な下りの最大通信速度は3Mbpsですから、上り、下りともに「数十Mbps」の通信速度があれば問題ありません。

したがって、上記測定結果の下り63Mbps、上り75Mbpsの速度があれば、快適にリモートワークが行えると評価できます。

安定性

通信速度の他に「回線の安定性」を示す数値にも注目しましょう。

スピード測定のレイテンシ

先ほどの測定結果の左下に「レイテンシ」という数値が見られますが、一般的には「ping(ピン)」と呼ばれます。そして、この数値が「小さければ小さいほど」回線の安定性が高いことを示します。

では、どの程度の数値に抑えられれば、回線の安定性が高いと評価されるのでしょうか?詳細は、以下の表を確認してください。

ping値安定性
0ms〜40ms高い
41ms〜60ms普通
61ms〜100msやや低い
100ms〜低い

参考:Ping値(ピン値/ピング値)とは何のこと?回線速度との違い – @nifty IT小ネタ帳

このように、pingは「0ms〜40ms」で安定性は高いと評価されますが、リモートワークを快適に行いたいなら「〜60ms」に抑えるべきです。これを超えてしまうと、ビデオ通話時の音声や映像が途切れやすくなるため、仕事に支障をきたします。

関連機器

インターネットの環境を整える上で、関連機器にこだわることも大切です。特にWi-Fiにつなぐ上で必須なルーターが重要であるため、詳しく解説していきます。

ルーター

ルーターは使用する回線で以下の3つのものに分けられます。

  • 無線LANルーター
  • モバイルルーター
  • ホームルーター

光回線を利用している方は無線LANルーターを、モバイルWi-Fiを利用している方はモバイルルーターとホームルーターを、それぞれ確認しましょう。

【光回線】無線LANルーター

無線LANルーターは、「光回線をWi-Fiでつなぐ上で必要」なものですが、規格ごとに出力できる最大通信速度が決まっています。詳細は、以下の表を確認してください。

規格時期最大通信速度
802.11a1999年54Mbps
802.11b1999年11bps
802.11g2003年54Mbps
802.11n2009年600Mbps
802.11ac2013年6.9Gbps

参考:Wi-Fi(無線LAN)の規格とは?主流の11nと11acの違いを徹底解説! – ELECOM

このように、最後につくアルファベットで規格が整理されており、現在の主流は11nと11acです。これより古い規格の無線LANルーターを自宅で使っていると、契約しているインターネット回線の最大通信速度が「1Gbps」だとしても、ルーターが原因で最大速度が抑えられてしまうため、注意してください。

なお、このルーターの規格は、一般的にはルーターの暗号化キー(パスワード)の近くに記載されているので、古いルーターを使っている方は確認しましょう。

【モバイルWi-Fi】モバイルルーター

Speed Wi-Fi NEXT W06

出典:Speed Wi-Fi NEXT W06 – UQ WiMAX

続いてモバイルWi-Fiで利用するモバイルルーターについて解説します。モバイルルーターはスマートフォンより一回り小さいコンパクトサイズであるため、携帯性の高さが魅力です。

一方で、内蔵の充電池が電力を供給するため、バッテリー切れを起こす点がデメリットになります。したがって、携帯性の高さを生かして外出先で利用するときは、必ずモバイルバッテリーも持ち運びましょう。

また、「モバイルルーターの回線品質を上げる方法」を知りたい方も多いでしょう。具体的な方法は、主に以下の2点が挙げられます。

ベストな位置を見つける
電波を拾いやすい場所を見つける。自宅内でも遮蔽物の有無で大きく変わる。
クレードルを使う
専用のスタンドで速度と安定性が大きく向上。有線接続も可能に。

「ベストな位置を見つける」方法は、シンプルですぐに効果を実感できる方法です。無線接続であるモバイルWi-Fiは方角や遮蔽物の有無で回線品質が大きく変わりますから、自宅内で使用するときはベストポジションを見つけましょう。

また、モバイルルーター単体では無線接続しかできず、安定したインターネット接続を構築するには不向きです。しかし、「クレードル」と呼ばれるルーター専用のスタンドを使うと、通信速度と安定性がともに向上します。

クレードル

出典:WX03専用クレードル – UQ WiMAX

このように、ルーターをスタンドに立てておくように使います。通常の使い方よりハイパワーで出力できるようになり、自動で充電もしてくれるため、非常に便利です。

加えて、クレードルにLANケーブルを接続すれば、有線接続も可能になるため、契約時はモバイルルーターと一緒に手に入れましょう。

【モバイルWi-Fi】ホームルーター

ホームルーター

出典:Speed Wi-Fi HOME L02 – UQ WiMAX

モバイルWi-Fiの多くのルーターはモバイルルーターですが、実は自宅で使用する「ホームルーター」も存在しています。コンセントに挿入して使用する据え置きタイプのルーターであるため、携帯性を失う代わりに、より広範囲に電波を飛ばすことが可能です。

したがって、建物の隅々まで電波を行きわたらせたいなら、ホームルーターの利用がおすすめできます。

また、モバイルルーターよりも最大通信速度が速く、安定性も高いため、自宅メインでモバイルWi-Fiの契約を考えているなら、モバイルルーターよりホームルーターを選ぶべきです。

有線接続

光回線とモバイルWi-Fiのルーターについて解説しましたが、ルーターを使った無線接続ではなく有線接続にすることも、回線品質の向上に効果的です。

一方で、最近の薄型のパソコンは、有線LANケーブルを挿入する場所がないモデルも存在しています。その場合、USB接続の有線LANアダプタが必要になるので、手に入れておきましょう。

セキュリティ

リモートワークはオフィス以外で仕事ができる点がメリットですが、「情報漏洩」のリスクが非常に高くなるため、セキュリティにこだわることは極めて大切です。

特にリモートワークで使用する社用パソコンは、機密情報の宝庫ですから、万が一盗まれたり、悪質なウイルスに感染したりした場合、重大な問題へと発展しかねません。

公衆Wi-Fiを安易に利用しない

社用パソコンのセキュリティ対策は会社がするべきことであるため、使う側がやるべきことは「安易に公衆Wi-Fiに接続しない」ことだといえます。

日本は公衆Wi-Fiの整備が他国に比べ遅れていますが、利用できる場所や店舗も存在しています。しかし、「暗号化」されていないWi-Fiを利用すると、深刻な問題が生じる可能性があります。詳細は、以下の引用文で確認してください。

暗号化されていないフリーWi-Fiでは、通信が盗聴、のぞき見される可能性があります。通信内容が暗号化されていないと利用者が閲覧しているWebサイトのURLや履歴、メールの内容などを、同じフリーWi-Fiに接続している第三者が簡単に取得できます。

引用:フリーWi-Fi(ワイファイ)の危険性とそれを避ける方法 – DTI

このように、暗号化されていない公衆Wi-Fiでは通信が筒抜けとなってしまい、端末からあらゆる情報を取得されてしまうリスクがあるのです。

暗号化されているかどうかは「Wi-Fi名(SSID)の横に鍵マークがあるかどうか」で確かめることはできますが、「どのように暗号化しているか」も大切になってきます。

こういったことを考えながら公衆Wi-Fiを利用するのは大変であるため、リモートワークに使用する端末で安易に公衆Wi-Fiを使用することは、極力控えるべきだといえます。

一方で、ワーキングスペースなど、働くことを前提とした店舗や施設では、セキュリティ対策が万全のインターネットを利用できる可能性が高いです。

また、モバイルWi-Fiやテザリングを利用すれば、どこでもセキュリティが万全の状態で仕事ができます。外出先でリモートワークをする機会が多いなら、契約を検討してもいいかもしれません。

仕事環境

リモートワークのインターネット環境を改善するには、仕事をするときの環境を見直すことも大切です。

ここでは、特に注意すべき点を解説していきます。

時間帯

インターネットは時間によって混雑さが変化します。総務省の情報通信白書によれば、インターネット利用者数は「18時〜22時」でピークを迎えるため、この時間帯に仕事をすると回線品質が悪化しやすいです。

参考:平成29年版情報通信白書 – 総務省

一方で、多くの方がリモートワークを行う時間帯は、一般に「9時〜18時」の時間帯ですから、コアタイムで労働する場合は気にする必要はないといえます。

電子レンジに要注意

また、自宅でリモートワークをするときに気をつけたいのが、電子レンジの使用です。電子レンジは電波を使って食品を加熱しますが、この電波とWi-Fiの電波が干渉を起こし、回線の安定性を低下させることがあるからです。

しかし、電子レンジの干渉は、「電子レンジの電波とWi-Fiの電波の周波数が同じとき」に起こるため、異なる周波数帯のWi-Fiを利用できる無線LANルーターを利用すれば干渉の心配は不要です。詳細を以下の表で確認しましょう。

規格時期周波数帯
802.11a1999年5Ghz
802.11b1999年2.4Ghz
802.11g2003年2.4Ghz
802.11n2009年2.4Ghz/5Ghz
802.11ac2013年5Ghz

参考:Wi-Fi(無線LAN)の規格とは?主流の11nと11acの違いを徹底解説! – ELECOM

このように、それぞれの規格で2.4Ghzか5Ghzの周波数帯が割り当てられており、電子レンジの周波数帯は2.4Ghzです。したがって、5Ghzの周波数帯を利用する最新規格の11acを利用すれば、電波干渉の心配をする必要はありません。

また、2.4Ghzの周波数帯は、電子レンジ以外にもさまざまな機械が使用する「混雑しやすい周波数」です。より高い回線品質を求めたいなら、11ac対応の最新型ルーターを利用すべきだといえます。

まとめ

リモートワークをストレスなく行うには、快適なインターネット環境が必須です。

働き方に適したインターネット回線を用意し、関連機器や仕事環境を見直して、充実した仕事をリモートでできるようにしましょう。

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