最近のゲームはオンラインで楽しむことが前提になりつつあり、他人と気軽に遊べる点が魅力です。しかし、ゲーム中にラグやカクつき、さらには回線落ちをしてしまうと、ストレスが溜まりますし、一緒に遊んでいる方にも迷惑をかけてしまいます。
オンラインゲームを楽しむためには、高品質なインターネット回線が不可欠です。光回線やモバイルWi-Fiの失敗しない選び方を解説しているので、参考にしてください。
オンラインゲームを快適に楽しむには?
昔のゲームはオフラインで1人で楽しむものが多かったですが、最近はオンラインで協力プレイや対戦をして楽しむものが多いです。
そして、オンラインゲームを快適に楽しむ上で、ラグや回線落ちはできるだけ避けたいでしょう。
ラグや回線落ちの理由
しかし、インターネットは目には見えないものですから、「どうしてラグが発生するんだろう」と悩んでしまう方もいると思います。
まずは、オンラインゲームのラグや回線落ちが発生する理由を確認していきましょう。
通信速度が不十分
ラグや回線落ちは、回線の通信速度が不十分である場合に、頻繁に発生します。より分かりやすく説明するために、「Fast.com」という通信速度測定サイトの測定結果を示した、以下の画像を確認してください。
こちらの画像の中にある、大きく「63Mbps」と表記されている数字が「下り(ダウンロード)の通信速度」を、右下の「75Mbps」と表記されている数字が「上り(アップロード)の通信速度」を、それぞれ示しています。
これらの数字が大きければ大きいほど、通信速度が速いことになりますが、快適にオンラインゲームをするにはどの程度あれば良いのでしょうか?
詳細を以下の引用文で確認しましょう。
ほとんどのオンラインゲームは10Mbpsの通信速度が出ていれば問題なくプレイできますが、より快適さを求めてプレイするためには、実測で100Mbps程度の速度が必要とも言われています。
「10Mbps」を1つの目安と考えてください。つまり、この測定結果は、「ほとんどのオンラインゲームを快適に遊べる」ことを示しています。
一方で、以下の条件に該当する方は、さらに高速な「100Mbps」以上の通信速度があると安心です。
- シューティングゲーム(FPS・TPS)をプレイする方
- 格闘ゲームをプレイする方
- ゲームのオンライン大会に出場する方
100Mbps以上の通信速度を安定して出せる回線は限られますから、回線選びを慎重に行いましょう。
回線の安定性が低い
回線の通信速度の他に、「回線の安定性」も重要です。回線の安定性は、以下の測定結果画像の中にある、左下の「レイテンシ」と記載されている数値が指標として用いられます。
この数値は「ping(ピン)値」とも呼ばれ、単位は「ms(ミリセカンド)」です。通信速度とは異なり、「数値が小さければ小さいほど、安定性が高い」とされています。
詳細を以下の引用文で確認しましょう。
オンラインゲームを快適にプレイするための理想のPing値は最低でも50msと言われていますが、プレイするゲームによってはこの数値では不十分なケースも少なくありません。反応速度が勝敗を決するようなゲームをプレイする場合、Ping値を10ms程度に抑えると良いでしょう。
文中で示されている通り、一般的には「〜50ms」で安定性が高いと評価されます。一方で、反応速度で勝敗が決まるシューティングゲームや格闘ゲームをオンラインでプレイする場合は、「〜10ms」に抑えると、より快適にプレイできるでしょう。
上記測定結果ではping値が「6ms〜8ms」なので、どんなゲームでも快適にプレイすることが可能です。
多くの方は「通信速度」だけで回線品質を評価しますが、オンラインゲームでは安定性も大切な要素ですから、「ping値」にも注目してください。
オンラインゲームを快適に楽しむ方法
ラグや回線落ちは通信速度や安定性が低いと発生しますが、どのような点に注意すれば改善するのでしょうか?
- 周辺機器を充実させる
- インターネット回線を変える
ここでは、この2つの点を解説していきます。
1.周辺機器を充実させる
多くの方は「インターネット回線を変えないと、ゲームを快適にプレイできない」と考えますが、実は周辺機器を充実させることで、通信速度や安定性が改善することがあります。
こだわるべき周辺機器は、以下の通りです。
- 有線接続
- LANケーブルをゲーム機やパソコンに接続する。
- 無線LANルーター
- 最新規格の「11ac」対応を使う。
- 端末
- 高性能なパソコンに変える。
このなかでも、特に「有線接続」はおすすめの方法です。通信速度と安定性が飛躍的に向上するにも関わらず、誰でも手軽に取り組めるものですから、試してください。
一方で、ゲーム機やパソコンによっては、有線LANケーブルを接続する場所が用意されていません。この場合、USBタイプのLANケーブル接続アダプタを購入する必要がありますから、この点には注意しましょう。
2.インターネット回線を変える
周辺機器を充実させてもオンラインゲームが快適に遊べないなら、インターネット回線を変える必要があります。
選択肢に挙がるインターネット回線は、以下の2つです。
- 光回線:通信速度や安定性は優れているが、工事が必要で開通までに時間がかかる可能性がある。また、料金が高い傾向にある。
- モバイルWi-Fi:工事が不要ですぐに開通可能。料金も手ごろな価格だが、安定性や通信速度は光回線よりも劣る。
簡単にいえば、回線の品質は固定回線の光回線の方が格段に上です。しかし、モバイルWi-Fiは工事不要で料金が安いので、契約のしやすさが魅力だといえます。
オンラインゲームを快適に楽しめるインターネット回線の選び方
ここでは、オンラインゲームを快適に楽しめる、インターネット回線の選び方を徹底的に解説していきます。光回線とモバイルWi-Fiの2つに分けているので、参考にしてください。
光回線
光回線は、シューティングゲームや格闘ゲームなど、一瞬の反応速度で勝敗が決まる「対戦ゲーム」を本格的に取り組みたい方におすすめの回線です。
しかし、光回線を提供する事業者は多くあるため、選ぶのが難しいといえます。ここでは、オンラインゲームを快適にプレイする上で重要な、以下の2つのポイントを解説します。
- 10Gbps対応の事業者を選ぶ
- IPv6対応の事業者を選ぶ
10Gbps対応の事業者を選ぶ
一般的な光回線事業者は、下りの最大通信速度が1Gbps(1,000Mbps)のプランを用意しています。
オンラインゲームを快適にプレイするには「10Mbps〜100Mbps」の通信速度があれば十分ですから、1Gbpsで十分だと思う方もいるでしょう。
しかし、事業者が宣伝する最大通信速度はあくまでベストエフォート方式で計測した「理論値」なので、1Gbpsで誰でも通信ができるわけではないのです。
ここで、ベストエフォート方式に関する以下の引用文を確認してください。
ベストエフォート(best effort)とは、日本語でいうと「最大限の努力」といった意味になります。インターネットの世界においては、回線業者が提示した最大通信速度を上限とし、最大限に努力した速度でインターネットに接続することを意味します。
つまり、事業者側が理想の環境を整えた速度が「1Gbps」ですから、回線の混雑度や使用する端末、周辺機器により、実測値はこれを大きく下回ります。
したがって、「一切のストレスなくゲームをプレイしたい」「ゲームの大会に出場したい」といった本格的なゲーマーの方は、5Gbpsや10Gbpsといった、1Gbpsを超える最大通信速度を用意する事業者を選ぶべきだといえます。
IPv6対応の事業者を選ぶ
光回線の事業者を選ぶときには、「IPv6に対応しているかどうか」も確認しましょう。
「IPv」は耳慣れない用語かもしれませんが、インターネットの接続方式を意味します。従来は「IPv4」が利用されていて、この接続方式では、IPアドレスと呼ばれるインターネット上の住所を、およそ43億個割り当てられました。
43億個と聞くと、極めて莫大な数だと思うかもしれませんが、世界全体でインターネットを使用していれば、すぐにIPアドレスが枯渇することは容易に想像できます。
しかし、「IPv6」はIPアドレスを「43億個の3乗個」、つまり実質的に無限に割り当てることが可能なので、枯渇する心配がありません。
したがって、IPv6の接続方式を利用すれば、IPv4で生じていた回線の混雑が解消され、より安定したインターネット接続が可能になるのです。
参考:【IPv6で速くなる】家のネットを高速化させる裏ワザ!ネットの接続を IPv4からIPv6へ変更してみよう – So-net
光回線事業者を選ぶときは、どうしても最大通信速度や月額料金、各種特典に注目しがちですが、IPv6に対応しているかどうかも確認しましょう。
モバイルWi-Fi
続いてモバイルWi-Fiの選び方を解説していきます。モバイルWi-Fiは、一般的にはポケットWi-Fiと呼ばれる「持ち運べるWi-Fiルーター」のことです。
光回線に比べて通信速度と安定性が落ちるため、より高品質なインターネット回線を契約したい方には光回線をおすすめします。一方で、モバイルWi-Fiは無線回線ですから、工事不要で最短契約直後から使用できる手軽さが魅力です。
また、月額料金も光回線より割安ですから、「光回線ほど本格的な回線は不要だが、ゲームを快適にプレイできる回線が欲しい」なら、契約をおすすめします。
使い放題プランがおすすめ
モバイルWi-Fiを提供する事業者は数多くありますが、基本的には容量制限プランと使い放題プランの2つを用意しています。
容量制限プランは、7GBや30GB、100GBなど各社でバラつきがありますが、快適にオンラインゲームをプレイしたいなら「使い放題プラン」を選択するべきです。
モバイルWi-Fiを契約すると、多くの方がゲーム以外にも、スマホやタブレット、パソコンでWi-Fiを利用しませんか?また、モバイルWi-Fiは携帯可能なので、外出先でも使用することがあるでしょう。
この場合、容量制限があると「ゲームをしても大丈夫かな」と頭を悩ませることになってしまい、快適にゲームをプレイできないことにつながります。
また、最近はゲームをダウンロード版で購入する方が増えており、ソフト一本で50GBを超えることも珍しくありません。加えて、更新データのインストールにもデータ容量を使いますから、容量制限プランでゲームを快適にプレイするのは現実的ではないのです。
使い放題は「WiMAX」がおすすめ
モバイルWi-Fiで使い放題プランを利用するなら、「WiMAX」がおすすめです。
WiMAXの「ギガ放題」は月間データ容量が無制限なので、1カ月のデータ使用量を気にする必要がありません。
下り最大通信速度は「1Gbps」と、一般的な光回線と同じ通信速度で利用可能なので、ほとんどのオンラインゲームを快適にプレイできます。
月額料金は4,268円と光回線よりも割安ですが、お得なプロバイダーを選んで契約をすれば、さらに安く利用可能です。工事も一切不要なので、気になる方は2週間無料お試しができる「Try WiMAX」を利用しましょう。
参考:快適高速インターネットを楽しみたい – UQ WiMAX
有線接続ができるWi-Fiルーターの契約を
WiMAXをはじめとしたモバイルWi-Fiは、無線で接続することしかできないと思われがちですが、実は有線接続をすることが可能です。
有線接続をすることで、通信速度と安定性が飛躍的に向上しますから、「モバイルWi-Fiの無線接続が不安」という方はぜひ覚えておきましょう。
以下では、有線接続を可能にするために知っておきたい、ホームルーターとクレードルについて解説していきます。
ホームルーター
一般的なモバイルWi-FiのWi-Fiルーターは、携帯することを前提にしたモバイルルーターと呼ばれ、自宅でも外出先でも使用できる点がメリットです。
一方で、「自宅でコンセントに挿して使う」ことを前提にした「ホームルーター」も存在しています。携帯できないWi-Fiルーターですから、デメリットしかないように思われるかもしれませんが、実はモバイルルーターと比較して、以下のメリットが存在しています。
- 有線接続ができる
- LANケーブルを挿入するLANポートがある。
- 通信速度が速く、安定性が高い
- 有線接続が可能なので、無線と比べて安定性が高く、通信速度も同様に安定するので速い。
持ち運べなくなるのが大きなデメリットですが、オンラインゲームで使用する回線を用意するなら、自宅のみの使用と割り切って、ホームルーターを使用しても良いかもしれません。
クレードル
ホームルーターではなくモバイルルーターを使用して、オンラインゲームを快適にプレイしたい方もいるでしょう。その場合、「クレードル」を使って端末と有線接続をすると、無線接続よりも通信速度と安定性を高めることができます。
クレードルに関する詳細は、以下の引用文を確認してください。
WiMAX2+のクレードルを利用するとWiMAX2+を無線だけでなく、有線LAN接続で利用できるようになります。クレードルの後面にLANケーブルを挿すところがあり、無線電波に対応していないパソコンなども有線LANで繋ぐことによりWiMAX2+に接続できます。自宅でご利用することが多い方や、PCやテレビにWiMAX2+を有線で接続したい方におすすめです。
文中にあるように、モバイルルーターをクレードルに固定することで、有線接続が可能です。
よりハイパワーなホームルーターには劣るものの、そのまま無線接続するよりずっと快適にインターネット接続ができますから、モバイルWi-Fiを契約する際は、クレードルを忘れずに手に入れましょう。
まとめ
オンラインゲームを快適にプレイするには、通信速度や安定性を向上させるために、周辺機器の見直しや回線の変更が有効です。
光回線とモバイルWi-Fiには、それぞれメリットとデメリットがありますから、自分に合った回線を選んで、ストレスなくゲームを楽しみましょう。