Vtuberなどの台頭により注目度がどんどん上昇しているのがゲーム配信です。ゲームをプレイしている方も、見ている方も楽しめる魅力的なコンテンツですが、「どんなインターネット回線を使えば良いか」に悩んでいる方もいるでしょう。
- ゲームを快適にプレイできない
- スムーズに配信できない
- 視聴者のコメントに遅延がある
このような悩みを抱えてしまうと、インターネット回線が原因で視聴者を楽しませることができなくなってしまいます。
ゲーム配信に必要なインターネット回線の選び方や、おすすめの回線を知って、快適にゲーム配信ができる環境を整えていきましょう。
ゲーム配信者に欠かせないネット回線の失敗しない選び方
ゲーム配信をしたい、もしくは現在している方の中には、インターネット回線についてよく分からない方もいるはずです。
しかし、ゲーム配信にインターネット回線は欠かせない存在なのも事実。快適にゲームをするため、快適に配信をするためという「二重の意味」で重要なので、まずはインターネット回線の選び方を知っていきましょう。
配信者は「光回線」一択
まず最も気になるのが、「どの回線を使えば良いのか」ではないでしょうか?今の時代、インターネット回線は生活必需品と呼べるほどの存在なので、さまざまな選択肢が存在します。
以下に、代表的なものをまとめてみました。
- 光回線(固定回線)
- 無線回線(置くだけWi-Fi)
- モバイルWi-Fi(ポケットWi-Fi)
- テザリング(スマートフォン)
これらの回線、接続方法には、それぞれメリットとデメリットがありますが、「ゲーム配信」という観点に立つと「光回線一択」と言い切っても良いほど、光回線がおすすめです。
ゲームや配信を快適にプレイするために光回線は必要
後述しますが、光回線の最大の魅力は「大容量で高品質なインターネット回線を無制限で使える」点で、キーワードは以下の3つ。
- 大容量
- 最近のゲームは通信量が非常に大きいため、容量不足は致命的。
- 高品質
- ゲーム配信の主流であるオンライン対戦ゲームでは、回線の品質が何よりも大切。
- 無制限
- インターネット回線の利用制限で配信ができなかったら本末転倒。通信制限は絶対に避けたい。
特に、最近のゲーム配信の主流であるFPSやTPSなどのオンラインシューティングゲームでは、極めて大量のデータ通信を行い、極めて緻密な安定性を要求され、これを長時間に渡りプレイします。また、コメント読みでも遅延のない回線でなければいけません。
だからこそ、ゲーム配信をするなら「大容量で高品質なインターネット回線を無制限で使える」環境が絶対に必要。
例えば、SoftBank Airに代表される「無線回線(置くだけWi-Fi)」は、確かに光回線のように自宅に回線を用意でき、使用する量にほとんど制限はありません。一方で、「端末と無線で接続する」という都合上、通信容量や品質は安定せず、光回線と比較にならないため、ゲーム配信に使うのは困難です。
同様に、モバイルWi-Fi、テザリングも無線回線と同様の欠点を抱えています。上記条件を満たしているのは光回線だけなので、「光回線一択」です。
光回線のスペックにこだわる
ゲーム配信におすすめのインターネット回線は光回線ですが、「光回線ならなんでも良い」わけではありません。配信やゲームのプレイに支障が出ては意味がないので、「光回線のスペック」にこだわる必要があります。
そして、光回線のスペックには、以下の2つの指標が関わることで知られています。
- 通信速度(bps)
- 応答速度(Ping)
どちらも必ず知っておくべき指標なので、順番に確認していきましょう。
通信速度:bps
まずは通信速度の「bps」ですが、こちらは「bits per second」の略で、日本語に直すと「1秒当たりの通信量」と訳せます。つまり、この数値が大きければ大きいほど、たくさんの通信が高速で出来ることを意味します。
したがって、光回線を選ぶ時には「bpsが高い業者を選ぶことが大切」だということです。
多くの光回線業者は、最高速度が「1Gbps」のNTT系列の光回線を借りて運用しているため、「1Gbps」が標準値です。なお、このようなNTTの光回線を借りて運用する光回線業者を「光コラボレーション(光コラボ)」と呼びます。
一方で、最近は1Gbpsを超える通信速度でサービスを提供する「高速光回線」が増えてきました。後述するNURO光やauひかりは、5Gbpsや10Gbpsなど、標準の5倍〜10倍程度の回線速度が出る回線を提供しています。
特に、FPSやTPSなどのシューティングゲームを配信したい場合、非常に重たい処理を回線に求めることになるため、「通信速度は大きければ大きいほど良い」です。「大は小を兼ねる」の考え方で、通信速度の大きい業者を優先的に選んでみましょう。
応答速度:Ping
通信速度bpsに続いて、「応答速度」を示す「Ping」についても解説していきます。こちらの指標はピンやピングと呼び、通信速度と同様に極めて重要な数値です。
通信速度bpsは「1秒当たりの通信量」を示す指標でしたが、Pingは「通信が始まるまでの時間」を示す指標になります。単位はms(ミリセカンド)で表され、例えばPingが10msだとすると「通信が始まるまでに10msが必要」であることを示します。
当然、通信は早く始めれば始まるほど良いので、Pingは「数値が小さければ小さいほど良い」です。
では、ゲーム配信にはどの程度のPingが理想なのでしょうか?動画視聴など、一般的な用途に限定すると「50ms以下」が目安とされていますが、極めて緻密な通信が要求されるFPSやTPS、格闘ゲームにおいては「悪くても15ms、一桁が理想」です。
Pingが高いとラグや遅延を生み、対戦相手視点では「ワープしている」ように見えてしまいます。したがって、あまりにも高いPingで配信をすると、視聴者から叩かれ炎上の原因になることさえあるため、Pingにも細心の注意を払いましょう。
「ゲーム専用」の回線も検討の余地あり

出典:PLALAGGGG光
このように、ゲーム配信においては通信速度bpsと応答速度Pingの2種類があり、この2つの数値にこだわることで、ゲーマー、配信者にとって理想的な回線を選ぶことができます。
そして、最近はこれらの数値にこだわった「ゲーム専用」の回線も台頭してきています。
例えば、上記画像のNTT系列の「NTTプララ」は、徹底的にPingの改善を追求し、ラグや遅延を可能な限り解消する「PLALA GGGG光」を提供しています(実際はサービスではなく有料オプション)。
サービス名にもある通り、ゲーム界隈のスラングである「GG(Good Game)」をサービス名に入れるなど、明確にゲーマー層を意識しているのがポイントです。
住んでいる場所に注意
上記の通り、ゲーム配信には光回線一択ですが、光回線は住居に直接光ケーブルを引き込む必要があるため、住んでいる場所によっては特定のサービスの対象外になっている場合があります。
対応エリアの確認を怠らず
後述しますが、ゲーム配信に最もおすすめな光回線「NURO光」は、2021年6月になってようやく、広島と岡山でサービスを開始しました。それでもなお、未だ21の都道府県でしかサービスを提供していないため、住んでいるエリアによっては利用できません。
したがって、気になっている光回線業者がどこの地域に対応しているのか、していないのかを必ず確認しましょう。
また、もし対応していないとしても、サービス提供エリア拡大に伴い、近いうちにサービスに対応する可能性もあります。こういった情報も公式サイトに掲載されている可能性があるため、合わせてチェックすべきです。
集合住宅は制限がある
戸建ての場合は光回線の引き込みは自分の意思で決められますが、集合住宅の場合はさまざまな制限があります。大まかに分けると、以下の3つのケースに分けられます。
- 1:光回線に対応していない
- 大家さん、管理会社を説得し許可を得る必要がある。その後、マンション全体の非常に大掛かりな工事になる可能性も。
- 2:光回線に対応している
- 部屋まで配線工事をすれば利用可能。契約は個別に行う。
- 3:部屋に光回線が導入済み
- 賃貸契約の中で「光回線利用可」とされている。何もせずすぐに使える。
この中でも厄介なのが「光回線に対応していない」パターンです。最近の物件では2、もしくは3のパターンが多いですが、古めの物件だと光回線を引き込むのに非常に手間がかかります。
また、古い物件の場合、配信時の声が隣の部屋に漏れてしまい、近所トラブルへとなりかねません。したがって、光回線に対応していない物件の場合は、引越しを考慮した方があらゆる意味で合理的だと言えます。
料金やキャンペーンもチェック
インターネット回線は毎月支払いが必ず発生する固定費なので、料金にこだわることも大切です。
「光回線の料金はどこも同じ」と考える方もいるかもしれませんが、決してこれは事実ではありません。
そもそも、光回線のビジネスモデルは複雑で、契約する相手が「光回線業者」「プロバイダー」の2種類存在します。前者の光回線業者は、光回線サービスそのものを提供する業者のことで、後者のプロバイダーは契約した光回線をインターネットに接続する会社のことです。
参考:プロバイダーとは?インターネット初心者向けにわかりやすく解説 – @nifty光
当然、同じ光回線業者と契約する場合でも、「どこのプロバイダーと契約するのかで料金やキャンペーンが異なる」ため、この点に注意が必要です。
一方で、このような複雑な仕組みを排除した「光回線業者プロバイダー一体型サービス」も存在します。複数のサービスを選んだり、契約を結ぶのが面倒な方は、一体型のサービスを選びましょう。
光回線の相場は?
では、光回線の相場はどの程度なのでしょうか?参考までに、NURO光の料金を一覧にして以下にまとめてみました。
名称 | 料金 |
---|---|
月額基本料金*1 | 5,200円 |
工事費*2 | 44,000円 |
契約事務手数料 | 3,300円 |
解約手数料 | 10,450円 |
*1:申し込み特典利用で1年間「980円」で利用できる
*2:3年契約で36分割した分を毎月請求し、それを毎月割引することで「実質無料」としている
参考:料金 – NURO光
光回線の料金で注目すべきが「基本料金」です。毎月必ず支払うもので、相場は5,000円〜6,000円程度。上記の通り、NURO光の場合は5,200円としていますが、注釈にある通り、1年間は980円とする特典を用意しています。
また、多くの方は工事費が気になると思いますが、相場は4万円〜6万円程度。しかし、こちらも注釈にある通り、NURO光では開通工事費を実質無料とする特典を用意しており、これはどこの業者でも共通です。
しかし、あくまで工事費は「毎月の料金から割引する」だけなので、途中で契約を解除すると残債は支払わなければいけません。加えて、解約手数料として1万円〜3万円程度がかかってくるため、光回線の契約は経済的なリスクを抱えることになります。
一方で、「契約途中で回線業者を乗り換えたい」場合は、多くの回線業者が「乗り換え特典」として、乗り換え先の業者が契約解除料や工事費を肩代わりしてくれるため、乗り換えは比較的自由にできます。
「一度契約したら終わり」ではないため、この点は頭に入れておきましょう。
利用すべきキャンペーン、オプションはこれ
最後に、光回線業者が提供している利用すべきキャンペーンを紹介していきます。以下に列挙していくので、参考にしてください。
- Wi-Fiルーター無料レンタル
- 1台5,000円前後のWi-Fiルーターを無料でレンタル。
- ゲーム機セットオプション
- PS5など配信者必携のゲーム機をセットにした有料オプション。
- 乗り換えキャンペーン
- 回線業者を乗り換えることで、数万円のキャッシュバック。
- モバイルWi-Fiレンタル
- 光回線開通までの空白期間をモバイルWi-Fiでカバー。
- ゲーマー専用プラン、オプション
- 大容量、低遅延など、ゲーマーに特化したプランやオプション。
この中でも、ゲーム配信者が注目すべきなのが「ゲーム機セットオプション」「ゲーマー専用プラン」の2つです。
共に実施している業者やサービス、代理店は限られますが、ゲーマーを支援してくれる姿勢を見せてくれるのは安心できますよね。選ぶときはこういったものも参考にすると、賢く光回線業者が選べるでしょう。
ゲーム配信におすすめなネット回線4選
ここからは、ゲーム配信におすすめな光回線業者を厳選して4つ紹介していきます。
どれもメリットやデメリット、魅力的な特徴が存在するので、この中から気になったものを選んで契約してみましょう。
NURO光

出典:NURO光
サービス名 | NURO光 |
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月額料金 | 5,200円 |
ゲーム配信者に最もおすすめな光回線は「NURO光」です。日本を代表する企業SONYが提供する光回線で、光回線に関係しているあらゆるランキングで首位を獲得するなど、圧倒的な人気を誇ります。
NURO光の最大の魅力は、なんといっても回線の品質にあります。多くの業者とは異なり「自前の光回線を所有」しており、一般的な最大通信速度1Gbpsの2倍にあたる「2Gbps」でサービスを提供。にも関わらず、料金は相場程度に抑えているため、逆に人気が出ない理由が見当たらない、魅力溢れる光回線業者です。
また、以下のような特典、キャンペーンを開催しているのも強み。
- Wi-Fiルーター無料レンタル
- PS5セットプラン
- 1年間基本料金980円
したがって、「迷ったらNURO光」と言っても良いほど、おすすめできる光回線業者です。
本格的にゲームをプレイしたいなら「NURO光10G」
また、ゲーム配信をしたい方の中には、「ゲームをやり込みたい」「配信に妥協したくない」という方もいるでしょう。そんな方には、通常プラン2Gbpsの5倍にあたる「10Gbps」の最大通信速度を誇る「NURO光10G」がおすすめです。
このプランの特徴は言うまでもなく、最大通信速度が極めて大きい点です。通常プランの2Gbpsでも十分高速ですが、利用者が急増する夜間の時間帯に速度が低下したり、集合住宅で思うような回線品質にならない場合もあります。
一般的な用途なら大きな問題になりませんが、ゲーム配信者にとっては少しのラグや遅延でも、視聴者が離れていくきっかけになりかねません。また、ゲームプレイに悪影響を与える可能性もあるため、「大は小を兼ねる」の考え方で契約を考えるのもありでしょう。
PLALA GGGG光

出典:PLALAGGGG光
サービス名 | PLALA GGGG光 |
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月額料金 | 6,270円 |
「PLALAGGGG光」は、全ゲーマー待望の「Ping」に徹底的にこだわったゲーマー専用光回線業者です。正確には、「ぷらら光」というNTT系列の光回線サービスの有料オプションがPLALA GGGG光で、上記月額料金の内訳は、ぷらら光の月額料金が「5,280円」で、PLALAGGGG光の有料オプションが「990円」、合計で6,270円となっています。
PLALA GGGG光の最大の魅力は、なんと言っても「低遅延」にあります。パケットロスやホップ数を最小化するなど、あらゆる施策を講じており、正式リリース前のβテストでは「Ping値に不満のあるユーザーの7割以上が向上を実感」したとのこと。
事実、ゲーマーにとってのゴールデンタイムである「22時〜3時」の時間帯で、PLALA GGGG光だけが「全時間帯でPing一桁」となったという検証結果も出ており、満足度の高さが伺えます。
一方で、通信速度は一般的な1Gbpsなので、この点には注意。Pingに徹底的にこだわりたいFPS、TPS、格闘ゲーマーにおすすめです。
Gaming+

出典:Gaming+
サービス名 | Gaming+ |
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月額料金 | 3,278円 |
Gaming+はゲーマー界隈では知らない人はいないプロeSportsゲーミングチーム「DetonatioN Gaming」が提供する、ゲーマー向けのハイスペックプロバイダーです。あくまでプロバイダーなので、これとは別に、NTT系列のフレッツ光、もしくは光コラボ回線の契約が必須になるので、この点には注意しましょう。
Gaming+の最大の特徴は、接続様式にあります。従来の光回線は、IPv4 PPPoE方式と呼ばれる「夜間などの混雑時に遅延が発生する可能性がある」ものを採用しており、これが原因で多くのゲーマーが頭を抱えていました。
しかし、Gaming+は混雑するポイントがない「IPv4 over IPv6 IPoE方式」を採用しており、従来よりも高い回線品質を実現。これにより、プロゲーミングチームも納得の光回線サービスを提供しています。
また、利用にあたってもプロバイダーとの契約だけで済むので、既にNTT系列の光回線が自宅にある場合は工事が不要で、最短1日での開通も可能。これも魅力の1つです。
auひかり

出典:auひかり
サービス名 | auひかり |
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月額料金 | 6,160円 |
auひかりもゲーマーにおすすめの光回線です。名前にある通り、携帯電話大手のau(KDDI)が提供しており、auと契約しているスマートフォンの基本料金が最大1,100円割引されるなど、auユーザーにとって大きなメリットが存在します。
また、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の一都三県の一部エリアにおいて、「auひかりホーム10ギガ・5ギガ」というサービスを提供しています。
名前にある通り、こちらは最大通信速度が5Gbps、10Gbpsのプランのことで、高速で安定したインターネット回線を求めるゲーム配信者にはもってこい!
しかも、「auひかり ホーム5ギガ」は通常プランと同じ料金で利用できるため、あらゆる光回線業者の中で「最も安く、高速回線を利用できる」と言っても良いでしょう。
一方で、一都三県の一部エリア以外は、通常と同様の最大通信速度1Gbpsの回線契約になるので、この点には注意してください。
まとめ
ゲームや配信とインターネット回線は切っても切れない関係にあり、どんなインターネット回線を使うのかは極めて重要です。
配信者は光回線一択で、最近はゲーマー向けのサービスやプロバイダー、オプションも続々と登場しています。インターネット回線を万全の状態に整え、人気配信者となれるよう、ストレスなく配信に臨みましょう。