ahamoはdocomoの大容量格安プランとして人気ですが、それと同じくらい人気なのが楽天モバイルです。安さに加えわかりやすいプラン設計が魅力で、中には「ahamoから楽天モバイルへと乗り換えたい」という方もいると思います。
しかし、スマートフォン業者の乗り換えは色々と複雑ですし、どちらの方が優れているのかについても事前に知っておきたいですよね。
この記事では、「ahamoから楽天モバイルへの乗り換え」というテーマについて深掘りしていきます。乗り換える方法や注意点、どちらの方が優れているのかの比較など、あらゆる点について徹底的に知っていきましょう。
目次
ahamoから楽天モバイルへ乗り換える方法
はじめに、ahamoから楽天モバイルへと乗り換える方法について、以下の順番に従って解説していきます。
- 必要書類を用意する
- MNP予約番号を取得する
- 楽天モバイルで契約手続きを行う
やるべきことを簡潔にまとめているので、乗り換える時の参考にしてみてください。
1:必要書類を用意する
まずは乗り換えるために必要な、以下の3つの書類を用意する必要があります。
- 本人確認書類
- 楽天会員IDとパスワード
- 支払い情報
いずれについても必ず必要になるので、忘れずに準備しておきましょう。
本人確認書類
楽天モバイル利用申し込み時に必要な本人確認書類は、基本的には以下の通りです。
- 運転免許証
- 運転経歴証明書
- マイナンバーカード
- 精神障がい者保健福祉手帳
- 療育手帳
- 身体障がい者手帳*
- 健康保険証*
- 日本国パスポート*
- 住民基本台帳カード*
*別途「補助書類」が必要。発行から3カ月以内の公共料金の請求書・領収書、住民票、届出避難場所証明書が該当。
店舗申し込みの場合は原本を持参し、Web申し込みの場合は撮影した画像をアップロードして提出します。
また、Web申し込みの場合は、運転免許証、もしくはマイナンバーカードを用いて本人確認をその場で迅速に完結させる「AIかんたん本人確認(eKYC)」が利用できます。
加えて、Web申し込み時に本人確認をスキップし、申し込み後の商品受け取り時に、運転免許証、マイナンバーカード、日本国パスポートのいずれかを見せることで自宅で本人確認を行う「受け取り時に自宅で確認」する方法もあるので、自分に合った申し込み方法を選びましょう。
楽天会員IDとパスワード
楽天モバイルは楽天が提供するサービスなので、楽天会員への登録が必要になります。
もう既に楽天会員の場合は、ID(メールアドレス)とパスワードをいつでも確認できる状態にしておきましょう。
一方で、まだ楽天会員ではない場合は、事前に楽天会員に登録をしておきましょう。楽天への会員登録画面は下記の通りです。

出典:楽天会員登録 – 楽天
- メールアドレス
- ユーザーID
- パスワード
- 氏名
これら4つの情報を記入するだけで登録が完了します。登録後に住所などの詳しい情報を登録する必要がありますが、いずれの場合も登録は非常に簡単です。
なお、登録時に記入、使用したメールアドレスやパスワードは「絶対に忘れないよう」に、必ずメモを取っておきましょう。楽天モバイル申し込みに欠かせない情報です。
支払い情報
楽天モバイルで利用できる支払い方法に関する情報も一式用意しておきましょう。利用可能な支払い方法は以下の通りです。
支払い方法 | 月額料金 | 製品・端末代金 |
---|---|---|
クレジットカード | 可 | 可 |
デビットカード | 可 | 可 |
口座振替 | 可 | 不可 |
代金引換 | 不可 | 可 |
楽天ポイント利用 | 可 | 可 |
最もおすすめな支払い方法は「楽天カードによる支払い」です。楽天モバイルの料金には100円につき1ポイントが付与されますが、これを楽天カードで支払うことで、100円ごとにさらに1ポイントが付与されるようになります。
もちろん、貯まったポイントは楽天モバイルでの支払いに利用できるので、楽天カードで支払うことで、実質的に100円につき2ポイント、つまり「2%安く利用できる」ことになります。
これほど利率の良いポイントサービスを提供するスマートフォン事業者は珍しいので、楽天モバイル乗り換えとセットで、楽天カードの利用も検討してみましょう。年会費はもちろん無料ですよ。
2:MNP予約番号を取得する
必要書類を準備したら、続いて「MNP予約番号を取得する」ステップへと移ります。
MNP予約番号とは、「MNPをするために必要な情報」のこと。MNPは電話番号を保持したまま乗り換えをすることを指すため、「乗り換えに必要な情報を現在の契約先から取得する」ことだと思ってください。
そして、ahamoからの乗り換えの場合、ahamoはdocomoのプランの1つなので、docomoからMNP予約番号を取得することになります。
ahamoアプリから以下の操作をすれば簡単に取得できます。
- 「アカウント」をタップ
- 「その他の手続き」をタップ
- 「MNP予約番号の取得」をタップ
この後は画面上の指示に従っていけば取得できるので、事前に必ず取得をしておいてください。
なお、ahamoではMNP予約番号を発行する時の手数料は無料であり、解約金や違約金も一切かかりません。
3:楽天モバイルで契約手続きを行う
MNP予約番号を取得したら、いよいよ楽天モバイルで契約手続きを行なっていきます。
契約手続きは店舗、Webの2通りがあり、店舗の場合はスタッフの指示に従うだけで簡単に契約ができますが、楽天モバイルは大変人気であるため、全国的に混雑しています。
場合によっては、「休日に予約が取れない」「希望する時間に空いていない」といった問題が生じる可能性があるため、Webでの申し込み、契約手続きも視野に入れたいところです。
Webでの申し込みは非常に簡単です。
まずはこちらの画面でプランを選択します。といっても、楽天モバイルには「RAKUTEN UN-LIMIT」というプランしかないため、選ぶ必要は一切ありません。
その後、オプションを選んでいきます。楽天モバイルで提供されているオプションは以下の通りです。
オプション名 | 詳細 |
---|---|
15分通話かけ放題 | ・国内通話1回15分通話し放題 ・1,100円/月 |
ノートンモバイルセキュリティ | ・ウイルス対策サービス ・220円/月 |
持ち込みスマホあんしん保証 | ・持っているスマホを使い回す方が対象 ・故障、破損、水没時に新品同等の同一機種と交換 ・715円〜1,309円 |
楽天モバイルWiFi by エコネクト | ・日本全国のWi-Fiスポットを利用できる ・398円/月 |
あんしんコントロール by i-フィルター | ・18歳未満購入必須 ・スマホ利用に制限をかけるフィルタリング ・330円/月 |
スマホ操作遠隔サポート | ・専任オペレータが遠隔でサポート ・550円/月 |
あんしん操作サポート | ・店舗でのサポートサービス ・550円/月 |
国際通話かけ放題 | ・66の国と通話し放題 ・980/月 |
SIMタイプ | ・希望のSIMを選択 ・SIMカード、eSIMの2択 |
この中から必要そうなものを選び、適宜追加していきます。
多くの方が気になるのが「かけ放題をつけるべきなのか」だと思いますが、楽天モバイルは「Rakuten Link」というアプリを利用して電話をかけることで、完全無料で通話し放題です。
したがって、これを利用する前提なら、通話し放題オプションはつける必要がありませんし、これが楽天モバイルが選ばれている理由でもあります。
一方で、このRakuten Linkを使った無料通話にはデメリットもあるので、詳しくは後述します。
そして、このオプション選択が終わったら、後は画面の指示に従うだけでOK。事前に用意しておいた楽天会員情報や本人確認書類、支払い情報やMNP予約番号が必要になるので、いつでも確認できる状態で申し込み、契約に臨みましょう。
契約が終わったら、SIMカードを選んだ場合は自宅に届くのを待ちましょう。eSIMの場合はすぐに利用開始が可能になるので、必要な作業を行えばこれで乗り換えが完了。
なお、楽天モバイルでは、自分一人では難しい「契約申し込み後から利用開始までの手順」について、iPhoneやAndroidなど各端末に分けて詳しく解説しているので、途中でわからなくなっても安心です。
ahamoから楽天モバイルへ乗り換える注意点
ここからは、ahamoから楽天モバイルへと乗りかえるときの注意点について解説していきます。
- 解約時期に関わらず日割計算にならない
- 端末が使用可能かチェックする
- MNP予約番号取得に時間がかかる
- 端末残債金を確認する
いずれも大切なポイントなので、順番に解説していきます。
ahamoは解約時期に関わらず日割計算にならない
ahamoは解約する時期、タイミングに関わらず日割り計算にはならず、必ず月額料金を支払うことになります。
一方で、楽天モバイルも月途中からの加入だとしても、日割り計算にはならず通常のプラン料金を支払うこととなるため、同一月での乗り換えは「料金の二重請求が発生する」と考えてください。
これを避ける方法は、「月末にahamoを解約し、翌月月初に楽天モバイルを契約する」方法です。
この方法なら、ahamoを期限いっぱい使い切りながら、月初めから楽天モバイルに乗り換えて利用することが可能になります。
しかし、当然ながら乗り換えるまでの間の時間は「スマートフォン契約なしでの生活」を余儀なくされます。といっても、自宅のWi-Fiなどを使えばLINEやSNSは問題なく使えるので、この方法で不都合が生じる方はそれほど多くないでしょう。
いずれにせよ、「月途中での乗り換え」は二重請求が発生するため、この点には注意してください。
端末が使用可能かチェックする
楽天モバイルは全ての端末で利用できるわけではなく、使用する端末によっては利用ができないか、一部機能を制限した状態での利用を強いられる可能性があります。
したがって、手持ちの端末を楽天モバイルで利用する時には、事前に対応しているかどうかを調べておきましょう。
ここでは全ての端末を紹介することはできませんが、参考までに、2022年8月23日時点で対応している「iPhone」を以下にまとめてみました。
- iPhone 6s
- iPhone 6s Plus
- iPhone 7
- iPhone 7 Plus
- iPhone 8
- iPhone 8 Plus
- iPhone X
- iPhone XR
- iPhone XS
- iPhone XS Max
- iPhone 11
- iPhone 11 Pro
- iPhone 11 Pro Max
- iPhone 12
- iPhone 12 mini
- iPhone 12 Pro
- iPhone 12 Pro Max
- iPhone 13
- iPhone 13 mini
- iPhone 13 Pro
- iPhone 13 Pro Max
- iPhone SE(第1世代)
- iPhone SE(第2世代)
- iPhone SE(第3世代)
基本的には「iPhone 6s以降」なら楽天モバイルに対応していると考えて問題ありません。
一方で、楽天モバイルに対応しているからといって、上記全てのiPhoneを利用すべきかと言えば、そうではないのも事実です。
iPhoneのメーカーであるAppleは、2022年9月に予定されるiPhoneのソフトウェア(iOS)のアップデートで「iPhone 8未満を非対応とする」ことを決定しています。
参考:iOS 16の対象外となったiPhone 6s/7/SE(第1世代)、どのiPhoneに乗り換えるべき? – ITmedia Mobile
ソフトウェアのアップデートに対応しないことは、「Apple(メーカー)のサポート対象外」であることを示し、セキュリティについても不安を抱えながらiPhoneを使い続けることも意味します。
つまり、楽天モバイルに対応している上記端末のうち、下記の端末は利用すべきではないということです。
- iPhone 6s
- iPhone 6s Plus
- iPhone 7
- iPhone 7 Plus
- iPhone SE(第1世代)
したがって、これから楽天モバイルに乗り換えを検討していて、上記の端末を使おうと考えている場合は、iPhoneの乗り換えについても検討しましょう。
楽天モバイルではiPhoneの取り扱いもあり、乗り換え時に数万円分のポイントをプレゼントするキャンペーンを常時行っているので、お得に乗り換えることができますよ。
当然、今回のアップデート対象となっているiPhone 8以降についても、今後のアップデートで順番に非対応になっていくので、端末を購入する場合はできるだけ新しいものを選ぶことをおすすめします。
MNP予約番号取得に時間がかかる
楽天モバイルに限らず、スマートフォンや携帯電話の乗り換えに必ず必要になるのが「MNP予約番号」です。現在の電話番号を継続して使うために必要な情報のことで、ahamoからの乗り換えの場合はdocomoからMNP予約番号を取得することになります。
そして、MNP予約番号の取得には以下の3つの方法があり、それぞれ時間の制限が存在します。
電話申し込み | 午前9時〜午後8時 |
---|---|
ドコモショップでの申し込み | 各店舗営業時間内 |
Web申し込み | 24時間 |
ご覧のように、電話とドコモショップでの申し込みには「20時まで」という制限があるため、忙しく生活している方には難しい可能性もあります。
しかし、Webでの申し込みなら24時間対応しているので、スマートフォンの操作に慣れている場合はWebによる申し込みを利用しましょう。
端末残債金を確認する
現在の端末をそのまま楽天モバイルで使用する場合、ahamoから乗り換えたとしても「docomoとの端末の契約」はそのまま残り続けることになります。
一般的には、docomo側と24カ月〜48カ月の分割で購入するので、この残債はdocomoに支払い続ける必要があります。
もし支払い続けるのが嫌な場合は、以下の方法が存在します。
- 端末を返却して残債分を取り消す(契約や利用プランによっては不可)
- 残債を一括で支払う
- 端末だけ外部へと売却して売却益を残債支払いに充てる
最も無難な方法は「端末の返却」により残債の支払いを帳消しにしてもらうことですが、これができるかどうかは契約の確認が必要です。自分がドコモと結んでいる契約と、返却が可能なのかを確認しましょう。
また、端末を持ったまま残債分を支払い続けるのも選択肢の1つですが、「端末を売却して売却益を残債支払いに充てる」方法も検討の余地があります。
特にiPhoneの場合は、中古市場でも高い価値を持っているため、メルカリなどで高い価格で取引されています。売却し、その売却益で残債を一括で支払い、楽天モバイル乗り換え時に新しい端末をセットで購入すれば、よりお得に新しい端末で楽天モバイルをスタートできますよ。
ahamoと楽天モバイルはどっちが良いの?乗り換え前に比較しておこう
ここからは、ahamoから楽天モバイルへと乗り換えることを検討している方に向けて、「どちらが良いのか」を徹底的に比較していきます。
比較する項目は以下の通りです。
- 料金プラン
- オプション
- インターネットの回線品質
- 電話
- サポート
- ポイント割引
どれも事前に知っておくべき重要な比較項目なので、順番にチェックしていきましょう。
料金プラン
最も大切なのが「料金プラン」ですよね。
ahamoが登場した当初、まだ格安プランがあまり普及していなかったこともあり、「安さ」を前面に押し出すことができましたが、auのpovoやSoftBankのLINEMO、さらには楽天モバイルの登場により、ahamoのお得感が失われてしまいました。
プランだけで見れば「楽天モバイルの圧勝」
結論から言えば、プランだけで見ると「楽天モバイルの圧勝」です。ahamoを利用するメリットがほとんどないと言えるほど、楽天モバイルのプランが優秀すぎます。
ご存知の通り、ahamoは20GBで2,970円で、2022年に登場した「ahamo大盛り」オプションを適用すると、100GBで4,950円で利用できます。ここに国内通話5分無料が付くのがahamoのプラン概要です。
一方で、楽天モバイルのプラン「Rakuten UN-LIMIT」は以下のような特徴を持っています。
【楽天モバイルのプラン概要】
データ通信 | 〜3GB:1,078円 〜20GB:2,178円 無制限:3,278円 |
---|---|
通話 | ・無料通話なし ・専用アプリの利用で無料通話可能に |
ご覧のように、データ通信については3階建ての構造で、1階部分の3GBまでで1,078円、2階の20GBまでで2,178円、そして3階の20GB以上はどれだけ使っても無制限に3,278円。もちろん、この3つの段階は月々のデータ使用量によって自動的に切り替わります。
使わない月は料金を抑えることができて、使いすぎてしまっても3,278円で抑えられるのは、他のプランではできない楽天モバイルだけの魅力です。
一方で、ahamoは20GBで2,970円なので、20GBで比較すると楽天モバイルの方が812円安く利用できます。そして「ahamo大盛り」では100GBで4,950円ですが、楽天モバイルの3階部分は無制限に使えて3,278円なので、どちらがお得なのかは言うまでもありません。
したがって、データ通信のプラン料金だけで見ると、ahamoは楽天モバイルに太刀打ちできません。勝負にならないほど楽天モバイルの方が優れているので、「出来るだけデータ料金を抑えたい」「とにかく安く利用したい」という方には楽天モバイルがおすすめです。
ahamoは速度制限後の通信速度が優秀
一方で、ahamoが優れている点や、楽天モバイルが劣っている点も存在します。
まずahamoが優れている点として、「速度制限後も1Mbpsで使える」点があげられます。ahamoは20GBで2,970円ですが、この20GBを使い切ると速度制限がかかります。
この時の速度が1Mbpsと比較的高速で、LINEは問題なく使えますし、YouTubeなど動画コンテンツも質を落とせば問題なく再生できるはずです。一般的な速度制限は1Mbpsの三分の一の0.3Mbps程度なので、ahamoの速度制限はかなり良心的です。
とはいえ、そもそも楽天モバイルは「3,278円で使い放題」なので、速度制限を気にする必要がありません。したがって、「速度制限が高速だからahamoを選ぼう」とはなかなか言えないのもまた本音です。
楽天モバイルは「1日10GB」で速度制限がかかる
次に「楽天モバイルが劣っている点」ですが、楽天モバイルは3,278円で使い放題になりますが、無条件で使い放題ではなく「1日10GB」という制限があります。
もし、1日に10GBを超えて使ってしまうと、「当日の0時を過ぎるまで」、最大通信速度1Mbpsの制限がかかるため「本当の意味で使い放題ではない」点に注意しましょう。
とはいえ、1日10GBはなかなか使いきれないのも事実です。HD画質の720pという解像度でYouTube動画を見る場合、1日に10時間程度動画を視聴しなければ10GBは使いきれません。
しかし、使い方によっては簡単に10GBを超えてしまうので、極端なインターネットの使い方をする方は気をつけてください。
インターネットの回線品質
プランについては楽天モバイルの圧勝でしたが、インターネットの回線品質については「ahamo(docomo)の圧勝」です。
以前まで、楽天モバイルは他社の回線を借りて運用する「MVNO」でしたが、今では自社回線を持つ「MNO」へと変わりました。
従来までのMNOだったdocomo、au、SoftBankが「3大キャリア」などと呼ばれていため、楽天モバイルは「第4のキャリア」などと呼ばれることもありますが、MNOとしての経験、実績がまだまだ途上段階であるため、回線品質は3大キャリアに及びません。
「対応エリア」が最大のネック
楽天モバイルの回線品質における最大のネックは「対応エリア」です。
ahamoはdocomo回線を使用していますが、全国の人口カバー率はほぼ100%。「人が住んでいるところならほとんどつながる」ため、ahamoを使っていてつながりにくかったりしたことはほとんどなかったはずです。
一方で、楽天の人口カバー率は2022年8月23日現在、96%で、将来的には97%まで上昇する見込みです。
実際に、日本列島をどのようにカバーしているのかを以下の画像で確認してみましょう。
【楽天モバイルの4G回線】
【楽天モバイルの5G回線】
「96%でたったこれだけ?」と思われるかもしれませんが、日本列島は人が住めない山が多いため、人口カバー率96%はこんなものです。
「人が住んでいるところの96%をカバーしている」ため、あくまで理論上はつながらないことはほとんどないはずですが、現場から聞こえてくる声は少し異なります。
- 他のキャリアよりつながりにくい
- 人気がないところに行くと圏外になる
- 急に通信速度が遅くなる
このような悪評が目立ち、周りから同じようなことを聞いたことがある方もいると思います。
実際は快適に利用できている方も多くいるはずなので、このような噂だけで一概に「楽天モバイルの回線品質が悪い」とは言えません。
しかし、少なくともahamoが利用するdocomo回線よりは品質が低下することは明らかなので、この点には注意を払ってください。
「楽天回線エリア以外」は使い放題にはならない
また、通信エリア関連で覚えておきたいことに、「楽天回線エリアと使い放題」があります。
先述のように、楽天モバイルのプラン「Rakuten UN-LIMIT」は20GB以上は使い放題ですが、これは「楽天回線エリア限定」です。
楽天モバイルでは、楽天回線エリア、つまり自社回線がつながるエリア以外の場所をカバーするために「パートナー回線エリア」を用意しています。このパートナー回線エリアにはau回線を使用しており、この回線を利用する場合、「1カ月5GBまで」という制限があります。
したがって、楽天モバイルを「たくさん使いたい」「無制限に使いたい」という場合は、お住まいの地域が楽天回線エリアでなければいけません。
家族や友達に楽天モバイルを利用している場合は、周辺地域が楽天回線エリアかどうかを事前に尋ねておくと良いでしょう。
オプション
続いて「オプション」について比較していきますが、ahamoは「シンプル」がコンセプトなので、有料のオプションは最低限に絞っています。
【ahamoのオプション】
かけ放題オプション | ・国内通話し放題 ・1,100円/月 |
---|---|
ケータイ補償サービス | ・故障、水濡れ、盗難、紛失時の補償 ・550円〜1,100円/月 |
あんしんセキュリティ | ・セキュリティ対策サービス ・220円/月 |
あんしんセキュリティ(プライバシー) | ・個人情報が流出していないかをチェック ・330円/月 |
あんしん遠隔サポート | ・オペレーターが遠隔でサポート ・440円/月 |
【楽天モバイルのオプション】
15分通話かけ放題 | ・国内通話1回15分通話し放題 ・1,100円/月 |
---|---|
ノートンモバイルセキュリティ | ・ウイルス対策サービス ・220円/月 |
持ち込みスマホあんしん保証 | ・持っているスマホを使い回す方が対象 ・故障、破損、水没時に新品同等の同一機種と交換 ・715円〜1,309円 |
楽天モバイルWiFi by エコネクト | ・日本全国のWi-Fiスポットを利用できる ・398円/月 |
あんしんコントロール by i-フィルター | ・18歳未満購入必須 ・スマホ利用に制限をかけるフィルタリング ・330円/月 |
スマホ操作遠隔サポート | ・専任オペレータが遠隔でサポート ・550円/月 |
あんしん操作サポート | ・店舗でのサポートサービス ・550円/月 |
国際通話かけ放題 | ・66の国と通話し放題 ・980/月 |
オプションの充実度だけ見れば楽天モバイルの方が優れているものの、実際には利用しない方の方が多いはずです。
したがって、「色々なオプションをつけて安心した状態でスマートフォンを使いたい」という方には楽天モバイルの方がおすすめですが、特にこだわりがない場合は、オプションが決め手で選ぶことにはならないでしょう。
電話
続いて電話についてですが、この電話とはLINEなどインターネットを使った通話ではなく、電話回線を使った電話のことを指します。
電話はahamoと楽天モバイルで大きく異なる部分なので、必ず事前に比較検討をすることが大切です。
まずahamoの電話についてですが、ahamoは「国内通話1回5分無料」が元から備わっているため、1回5分以内の通話なら無料で利用できました。
しかし、楽天モバイルには無料通話が備わっておらず、「30秒につき22円」の通話料がかかりますが、以下の2通りの方法で電話料金を無料とすることが可能です。
- 有料オプションをつける
- Rakuten Linkを利用する
それぞれについて、順番に解説していきます。
有料オプションをつける
楽天モバイルで通話料を無料にする場合、有料オプションである「15分(標準)通話かけ放題」をつける方法があります。
その名の通り、1回15分以内の国内通話が無料になるオプションのことで、多くの方は15分の無料通話がつけば問題ないでしょう。
料金は1カ月1,100円。他社と比べても15分の無料通話で1,100円はコスパが良いので、電話、通話を頻繁にする方やビジネス用途で楽天モバイルを使う方は利用を検討しても良いでしょう。
Rakuten Linkを利用する
有料のオプションをつける他に、「Rakuten Link」を利用する方法も存在します。
Rakuten Linkは楽天モバイルユーザーなら誰でも利用できるアプリのことで、これを利用して国内通話をかけることによって「通話料が無料」になります。
ahamoは5分以内の通話が無料ですが、楽天モバイルはRakuten Linkを使うことで無制限に無料となるので、電話、通話でも楽天の方がコスパが良いです。
以下に、Rakuten Linkの実際のスマートフォンの画面を載せます。
「左側」の画像は、Rakuten Linkの中の電話帳です。本体の電話帳と同期されるため、新たに連絡先を入れる必要はありません。
そして、「右側」の画像はダイヤル画面です。通常の電話、通話アプリと使い勝手が一切変わらず、かけたい番号をダイヤルをタップして入れて、あとは赤い通話ボタンを押すだけ。
このように、電話帳から通話をかけたり、ダイヤルからかけたりと、通常の電話と同じ感覚で使えます。これだけで料金は無料となるため、非常にお得でおすすめできます。
このRakuten Linkを利用すれば、先述の「15分通話かけ放題」オプションも不要な方も多いはずです。
しかし、Rakuten Linkも万能ではありません。以下のようなデメリットも存在するので、注意が必要です。
通話品質が低い | ・通常の通話よりノイズが入る ・接続が不安定になることがある ・ビジネス用途には向かない |
---|---|
無料にならない番号がある | ・0180、0570、188など一部無料対象外 ・無料にならない場合は通知してくれる |
慣れが必要 | ・アプリを立ち上げるので手間がかかる ・スマホに慣れているなら全く問題ない |
特に注意すべきが「通話品質」です。通常の通話より質が落ち、回線状況が良くないとノイズが入ったり、接続が不安定になることも珍しくはありません。
したがって、日常生活で家族や友人と通話をする分には良いですが、失敗が許されないビジネスの場では不安が残ります。ビジネス用途には向かないでしょう。
サポート
続いてサポートについてですが、ahamoは「Web限定」としてスタートしたので、サポートについてはあまり期待できません。
一応、1回あたり3,300円を支払うことで、ドコモショップでサポートを受けられるものの、月額料金と同じ程度の金額を払ってサポートを受けたい方はほとんどいないでしょう。
一方で、楽天もスマートフォン事業者の中ではサポートが充実しているわけではありません。しかし、全国の楽天モバイルの店舗にて申し込みが可能ですし、スタッフに直接質問をすることも可能です。
したがって、ahamoよりも楽天モバイルの方がサポート面が優れていると言えるでしょう。
不安なら「オプション」の利用も視野に
しかし、大手キャリアのdocomoが提供するahamoを抜けて、楽天モバイルに乗り換えることに不安を抱いている方もいると思います。
その場合、楽天モバイルの有料オプション「スマホ操作遠隔サポート」「安心操作サポート」を利用することで、大手キャリア並みの手厚いサポートが受けられます。
前者の「スマホ操作遠隔サポート」は、専任のオペレーターがリモートでサポートをしてくれるオプションで、後者の「安心操作サポート」は店舗での対面によるサポートを受けられるオプションのことです。
どちらも月額550円で利用でき、不要になったらもちろん外せます。最初のうちは契約しておいても損はないでしょう。
ポイント割引
最後に取り上げるのが「ポイント割引」ですが、ポイントは楽天が提供する「楽天ポイント」が非常に優秀なので、楽天モバイルに分があります。
以下に、両者のポイント制度をまとめてみました。
ahamo | ・1,000円につき10ポイント ・還元率は1% |
---|---|
楽天モバイル | ・100円につき1ポイント ・還元率は1% ・楽天市場でのポイント+1倍 |
両者を比較すると、還元率だけ見れば同じ1%で横並びです。
しかし、ahamoは1,000円で10ポイントであるのに対し、楽天モバイルは100円で1ポイント。ここに大きな差があります。
ahamoの基本料金は「2,970円」なので、基本料金だけの支払いではぎりぎり30ポイントがたまりません。これは明らかに不親切です。
一方で、楽天モバイルは100円で1ポイントがつくので、ahamoのような「ぎりぎりポイントがつかない」ようなことが起こりにくいです。
また、楽天モバイルを利用していれば、楽天が提供するインターネット通販「楽天市場」でのポイント還元率が1倍アップするので、間接的に楽天ポイントが貯まりやすくなります。
以上を踏まえると、ポイントという観点で見ても、楽天モバイルに軍配が上がることがわかるでしょう。
ahamoから楽天モバイルに乗り換えるべき?おすすめできるのは?
この記事の最後に、ahamoと楽天モバイルをどんな人におすすめできるのかについて解説していきます。
乗り換えを検討している方は目を通しておきましょう。
ahamoから楽天モバイルへと乗り換えるべきではない方
まずはahamoから楽天モバイルへと乗り換えるべきではない方について紹介していきます。
- 回線品質を最重要視する方
- ビジネス目的でスマートフォンを使う方
回線品質を最重要視する方
ahamoは楽天モバイルに多くの点で劣っていますが、数少ない利点が「回線品質の高さ」です。
ahamoの回線はdocomo回線を使っており、人口カバー率は99%。一方で、楽天モバイルは人口カバー率97%なので、人口カバー率で見ると2%劣っています。
「たった2%」と思うかもしれませんが、日本の人口は2022年8月1日現在「1億2478万人」なので、たった2%でもおよそ250万人が、ahamoに比べて楽天モバイルがつながらないことになります。
そして、楽天モバイルの自社回線がつながらない場合はパートナー回線であるau回線につながりますが、パートナー回線は月に5GBまでしか使えず、楽天モバイルの強みである「無制限に使える」というメリットが受けられません。
また、97%のカバー率という数字とは裏腹に、「つながりにくい」「通信速度が遅い」という声も聞こえてきています。ahamoは安心のdocomo回線なので、このような声はほとんど聞こえてきません。
以上より、「回線品質が一番大事」「今のahamoよりつながりにくくなるのは耐えられない」という方は、ahamoに残るべきでしょう。
ビジネス目的でスマートフォンを使う方
楽天モバイルへの乗り換えを検討している方の中には、ビジネス目的でスマートフォンを使う方もいるはずです。
楽天モバイルも以前と比べて人口カバー率が拡大し、回線品質も向上してきていますが、それでもまだdocomoなど大手キャリアに及びません。
それでも、日常生活で使用する分にはほとんど問題ないレベルまできていますが、高い安定性、確実性が求められるビジネス目的の場合は、少し不安が残ります。
「万が一電話がつながらなかったらどうしよう」「もしサイトに接続できなかったらどうしよう」といった「万が一、もし」が常につきまとうため、それだったら回線品質で悩むことのないahamoに残るのがベターです。
ahamoから楽天モバイルへと乗り換えるべき方
続いて、ahamoから楽天モバイルへと乗り換えるべき方について解説していきます。
- 少しでも安く利用したい方
- 月によって使用量にバラつきがある方
- 無制限にネットを使いたい方
- 無制限に電話を使いたい方
- 楽天ユーザーの方
順番に見ていきましょう。
少しでも安く利用したい方
ahamoは20GBで2,970円、100GBで4,950円と、従来の大手キャリアの正規プランに比べれば安いですが、楽天モバイルには到底及びません。
楽天モバイルは、同じ20GBで比較しても「2,178円」で使えるため、およそ800円の差があります。
また、超大容量の100GBで比較しても、楽天モバイルは20GB以上は無制限に使えて「3,278円」です。ahamoの100GBで4,950円は勝負にならないので、コスパを考えるなら楽天モバイルにしない選択肢はないでしょう。
月によって使用量にバラつきがある方
ahamoは20GBで固定ですが、人によっては月ごとに使用量が大きく変動することもありますよね。
ある月は19GBギリギリまで使うかもしれませんが、違う月は13GB、あるいは数GBしか使わない月もあるでしょう。
しかし、ahamoはどれだけ使っても、使わなくても、確定で料金が取られるため、ここが大きなデメリットでした。
一方で、楽天モバイルは3GB、20GBで境界線があり、使わない月は3GBまでで1,078円に抑えられます。もしちょっと使い過ぎてしまっても、20GBまでなら2,178円で済みますし、途方もないほど使ってしまっても「3,278円」に抑えられるのは極めて大きな魅力です。
普通にスマートフォンを使っていたら、月によって使ったり、使わなかったりが出てきてもおかしくないので、20GBで固定のahamoよりも楽天モバイルの方が向いている人の方が多いでしょう。
無制限にネットを使いたい方
ahamoは通常プランだと20GB、「ahamo大盛り」をオプションとしてつけると100GBを使えますが、いずれも上限が設定されているため、無制限にインターネットを使えません。
一方で、楽天モバイルは3,278円で無制限にインターネットを使えるようになるので、「〇〇GBに抑えないと」と我慢することなく、ストレスフリーでスマートフォンを楽しめます。
もちろん、「1日に10GB以上使うと当日に速度制限が入る」というルールがあるので、実質的に楽天モバイルでは「1日10GB、1カ月300GB」という制限が存在します。
しかし、ahamo大盛りは100GBで4,950円、楽天モバイルは300GBで3,278円なので、どちらが優れているかは明白です。無制限にネットを使いたいなら、楽天モバイル一択です。
無制限に電話を使いたい方
無制限にインターネットを使いたい方だけでなく、電話を使いたい方にも楽天モバイルはおすすめです。
ahamoはプランの中に「5分通話かけ放題」が入っていますが、無制限のかけ放題オプションをつけると「1,100円」がかかります。
1,100円で無制限のかけ放題オプションをつけられるのは業界内でもかなり割安でコスパが良いのですが、それでも楽天モバイルには及びません。
楽天モバイルは、「Rakuten Link」というアプリを使用していつものように電話をかけるだけで、完全無料で電話が使い放題になります。
音質や安定性は多少劣るものの、慣れればそこまで気になりません。家族や友人相手の電話なら、これで十分と感じる方が大半であるはずです。
逆に言えば、「ビジネス用途」など、電話に対して高い信頼性を求める場合は、ahamoに残ってかけ放題オプションを利用した方が良いかもしれません。
楽天ユーザーの方
楽天モバイルを運営している楽天は、携帯電話事業だけでなく、以下のような事業を手広く行なっています。
楽天市場 | インターネット通販 |
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楽天ブックス | 本やゲームなどのインターネット通販 |
Rakuten Fashion | ファッションなどのインターネット通販 |
楽天ペイ | インターネット決済代行サービス |
ラクマ | メルカリの楽天版。フリマアプリ |
楽天トラベル | 旅行サイト |
楽天カード | 楽天のクレジットカード |
楽天銀行 | 楽天のネット銀行、e-バンク |
楽天証券 | 楽天の証券会社。株式やiDeCOやNISA |
楽天保険 | 楽天の保険業 |
楽天ウォレット | 楽天の仮想通貨取引サービス |
楽天ビューティー | 楽天の美容室予約サイト |
ROOM | 楽天のショッピングSNS |
これらはほんの一部ですが、認知度が高いものだけでもこれほどの事業を楽天は行っています。
そして、これら全てにおいて「楽天ポイント」が何らかの形で貯まる、使えるようになるので、これらのサービスのうち何かを使っている楽天ユーザーの場合は、スマートフォンの契約も楽天で揃えてしまうのは賢い選択です。
なぜなら、スマートフォンの通信費は毎月固定で、必ず出費が発生する「固定費」なので、多くのポイントが貯まっていくからです。楽天カードで楽天モバイルの支払いをすれば、100円で2ポイント、つまり実質2%割引で使えるようになります。
また、楽天モバイルユーザーは、インターネット通販「楽天市場」にてポイントの利率が+1倍されるので、さまざまな面で恩恵を受けられるようになります。
揃えれば揃えるほど、どんどんお得に利用できるようになるので、これを機にスマートフォンも楽天モバイルに変更してしまいましょう。
まとめ
ahamoは決して悪くないスマートフォンのプランですが、楽天モバイルと比べると見劣りしてしまうのも事実です。
楽天モバイルはとにかくコスパに優れるため、多くの方におすすめできます。しかし、唯一のネックが「回線品質」なので、お住まいの地域が楽天の自社回線のエリアに入っているのか、また実際に使ってみてどうなのかを体感してみることが大切です。
幸い、ahamoも楽天モバイルも、解約金が無料なので、もし楽天モバイルに乗り換えた後に何らかの問題が見つかった場合でも、簡単にahamoに戻れます。試してみる価値はあるでしょう。